2026年香港の中秋節、月餅やランタンを楽しむ

明日、2026年9月25日(金)は「中秋節」(旧暦8月15日)であり、一年で最も美しいとされる満月の夜を祝う中華圏の伝統行事です。香港では中秋節には多くの企業が午後3時〜4時頃に業務を終了し、従業員を早めに帰宅させる習慣があり、家族や親戚が集まってお月見や灯籠(ランタン)の見物を楽しんだり、月餅と呼ばれる満月に見立てた丸い伝統菓子を食べ、五穀豊穣を祝うのが伝統的な過ごし方です。
中秋節には、伝統的なお祭り「大坑舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)」や「ランタンカーニバル」に地元の人だけでなく観光客も多く訪れます。香港天文台は、中秋節期間中は曇り空が続くため満月が見えない可能性があるが、雲の切れ間から月を見ることができると予想しています。なお、中秋節の翌日9月26日(土)は祝日となっています。
香港では、中秋節に合わせて月餅を味わったり、色鮮やかなランタンを楽しんだり、伝統的な火龍の舞を見物したりと、この時期ならではのさまざまな文化やイベントを楽しむことができます。ここでは、中秋節に欠かせない月餅の習慣や、香港各地で開催されるランタンカーニバル、大坑舞火龍について紹介します。
ジャイアントパンダが有名な海洋公園(オーシャンパーク)では、一足先に飼育チームがパンダ用に中秋節のお祝いを用意。ビスケットや人参で作ったパンダ向け月餅風プレートに、スイカをくり抜いて作ったウサギ型のランタンが添えられました。
■月餅について
丸い月は「円満」「団らん」の象徴とされており、月餅も同じ丸い形に作られることで、家族が欠けることなく一つに集まるようにとの願いが込められています。香港では、元朝時代(14世紀頃)に漢民族がモンゴル帝国の元朝を打倒する際、反乱のメッセージを月餅の中に隠して伝達し合ったのが起源だという言い伝えがありますが、今では純粋な祝いの菓子として親しまれています。
香港では広東発祥の「広式月餅」が主流で、シロップと小麦粉で作る薄く柔らかな黄金色の皮に、蓮の実餡や小豆餡、塩漬け卵黄を包み込むのが伝統的なスタイルです。近年は香港発祥の冷やして食べる「氷皮月餅」も人気で、フルーツやチョコレート、カスタードなどモダンな味も広がっています。今年も老舗ホテルブランドから新作が続々登場しており、ザ・ペニンシュラ香港はランタンをイメージしたデザインのギフトボックスに、黒ごま餅入り月餅と15年物の陳皮を使った小豆・卵黄月餅という新フレーバーを発表しています。
なお、日本の「お月見」も中秋節と同じ旧暦8月15日の行事ですが、ルーツは少し異なります。中国の唐の時代の中秋節の習慣が、日本では平安時代に貴族の間で月を眺める優雅な習わしとして伝わり、江戸時代初期に庶民へ広まったとされ、現在では収穫祭というより身近な人と月を愛でる日として親しまれています。
■ランタンカーニバル
香港では毎年、銅鑼湾(コーズウェイベイ)のビクトリア公園が中秋のランタン祭りの中心地です。2026年は9月17日から27日まで「中秋節ランタンカーニバル(Mid-Autumn Lantern Carnival)」が開催。華やかな灯篭の展示に加え、伝統的な灯篭作りなど、無形文化遺産の要素も取り入れられ、入場無料でお祭りの雰囲気を楽しめます。
点灯時間は午後6時30分~午後11時で、9月24日~27日は午前0時まで延長されます。今年は初の試みとして同会場で国際的なランタン展示を集めた「International Lantern Spectacular」が開催されており、予想を上回る人気のため会期が10月4日まで延長されました。
■大坑舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)
9月24日(木)~26日(土)の3日間は、大坑(タイハン)地区で伝統的な行事「大坑舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)」が開催されます。約300人のパフォーマーが、約12,000本の線香で飾られた全長67メートルの巨大な龍を担ぎ、大坑地区を練り歩きます。1880年に台風と疫病から村を守るために始まったとされており、140年以上続く歴史を持ち、国家級無形文化遺産にも登録されている伝統行事です。
エリアは大坑一帯で、最佳観賞スポットは「浣紗街(ウンサーストリート)」とされています。演舞ルートは銅鑼灣道から浣紗街周辺の路地に広がります。開始時間は午後7時で、24日(木)と26日(土)は午後10時頃まで。25日(金)は午後10時30分以降もメイン演舞がビクトリアパークまで延長され、例年以上に混雑が予想されています。
また、今年は子ども向けに子どもたちが操るLEDミニ火龍のパレードも同時開催され、ファミリー層も楽しめる内容になっています。