香港の性労働の歴史展覧会が9月27日まで開催中

更新日:2026年09月21日
香港、性労働の歴史展覧会

香港における性労働の100年の歴史に焦点を当てた展覧会「身皆己身」が、9月27日まで尖沙咀(チムサーチョイ)の重慶大厦(チョンキンマンション)地下にあるアートスペース「The Garage @ Heath」で開催されています。

会場では、かつて香港に存在した性風俗施設の看板や店内を再現した展示のほか、当時のメニューや料金表、セックスワーカー用の休憩室、ロッカー、使用されていた小道具や衣服など、性産業に関連するさまざまな品々が紹介されています。また、かつて大通りの両側を埋め尽くしていたナイトクラブのポスターも、AIで再現された人物を使って展示されています。

香港の性産業の歴史は100年以上前にさかのぼります。アヘン戦争のさなか、1841年にイギリス軍が香港島に上陸・占領し、1842年の南京条約によって香港島が清からイギリスへ割譲されました。その後、香港は自由貿易港として発展していきます。

1857年には植民地政府が公娼制度を導入し、売買春を公認・管理する仕組みが設けられました。登録された店舗(娼館)で働く女性には免許が交付され、その免許には「汝ら娼となるも、身は皆己が身。来るも去るも、意のままに行うべし(身皆己身)」という文言が記されていました。

19世紀末から20世紀初頭にかけては、植民地時代の初期に開発された上環(ションワン)の水坑口街一帯に華人の性労働者が集まるようになりました。1930年代になると、香港が極東の貿易拠点として発展するにつれ、湾仔(ワンチャイ)や尖沙咀ではナイトクラブ、酒楼、トップレス・バーなどが盛んになり、性労働は夜の娯楽産業と深く結びついていきました。一方、娼館の免許制度は1930年代に廃止されています。

現在の香港では、売春そのものは違法ではない一方、売春の斡旋・管理や売春宿の経営などは違法とされています。

今回の展覧会が開催されている場所は、1970年代から1980年代にかけて、当時を代表する高級ナイトクラブ「首都酒樓夜總會」が営業していた場所でもあります。かつて香港の夜の娯楽産業を支えた場所に戻り、性労働の歴史や当時の空間、そして現代の性労働者たちの人生を重ね合わせる企画となっています。

香港における100年に及ぶ性労働の歴史を出発点に、法的な制限、社会的な偏見、暴力のリスク、経済的な圧力などを取り上げながら、「自分の身体は自分のもの」という考えを本当に実現するにはどうすればよいのかを問いかける展覧会です。

「身皆己身(A Body of One’s Own)」
場所:The Garage @ Heath 
住所:B/F, 36-44 Nathan Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon
ホームページ:https://www.heath.hk/
インスタグラム:https://www.instagram.com/a_body_of_ones_own.hk2026/