香港で子供のインフルエンザ感染者が急増

更新日:2023年04月11日
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感染

香港内でインフルエンザに感染する子供が急増しています。公立病院の小児ベッドの占有率は70~80%となっており、日により100%を超えることもあるようです。小児科調整委員会の副主席の陳子宏は「ワクチン接種や混雑場所でのマスク着用をすべき」と警告しています。

さらに陳子宏は「海外の研究から、Covidとインフルエンザの組み合わせにより、合併症を発症する可能性を高めるという証拠が増えてきている。複数の呼吸器系ウイルスに同時に感染することもあり、3種類や4種類同時に感染することもある」と話しています。

香港大学の小児科および思春期医学部のパトリック・イップ氏は「学校でのインフルエンザ感染が大幅に増加しており、重度のインフルエンザの症例数も増加している。おそらく厳格な新型コロナウイルス対策が理由で、今年のインフルエンザシーズンは例年よりも遅くピークに達し始めている。インフルエンザの予防接種率は非常に低く、特に幼い子供や高齢者で低い。保護者はできるだけ早く予防策を講じるべきであり、早めにワクチンを接種して抗体を作るべき」と話しています。

インフルエンザの急増で抗インフルエンザ薬タミフルの不足が心配されていましたが、十分な供給があることは確認されています。タミフルを製造するスイスの製薬大手であるロシュ社は、5月末に予定されている緊急配送で、追加のタミフルを出荷することを約束していると話しているようです。

なお、香港の衛生署によると、検出されたインフルエンザ症例の77%がインフルエンザA(H1)型、21%がA(H3)型となっており、子供および50~64歳の大人はA(H1)型に比較的影響を受けやすいという傾向が過去のデータから分かっていると伝えています。