香港で広がる変化、住宅・貿易・生活に動き

更新日:2026年08月28日
香港で広がる変化、住宅・貿易・生活に動き

香港の民間住宅価格は1年3か月ぶりに下落し、家賃は9か月連続で上昇し過去最高を更新したこと、7月の香港の輸出額はAI需要がけん引し前年同月比50.7%増の大幅な伸びを記録したこと、香港の退職者の生活費は香港全体の物価上昇率の約3倍のペースで上昇していることをお伝えします。

■香港住宅価格、1年3か月ぶり下落 家賃は最高値

香港政府の差餉物業估價署が発表した2026年7月のデータによると、香港の民間住宅価格は前月比約0.5%下落し、13か月続いた上昇が止まりました。下落は2025年4月以来、約1年3か月ぶりです。一方、家賃は前月比0.8%上昇し、9か月連続で上昇。過去最高を更新しました。

住宅価格は前年同月比では11.6%上昇しているものの、2021年9月の過去最高値と比べると、依然として約20%低い水準です。不動産仲介大手CBREは、短期的な上昇余地は限られており、今後数か月は住宅市場が調整局面に入る可能性が高いと分析しています。

一方、賃貸市場は堅調です。7月の家賃は前年同月比でも5%上昇しており、不動産大手Ricacorp Properties(利嘉閣地產)のリサーチ責任者デレク・チャン氏は、「留学生を含む新規流入者と地元需要が、夏の賃貸ピークシーズンの需要を支えている」と説明しています。さらに、8月と9月もそれぞれ約1%の上昇を予測しており、第3四半期全体では約3%の伸びになるとの見通しを示しています。

■香港の輸出、7月は50%超増 AI需要がけん引

2026年7月の香港の輸出額は、前年同月比50.7%増の6,725億香港ドルとなったことを香港の統計局が発表しました。6月も53.4%増となっており、2か月連続で50%を超える大幅な伸びを記録しています。

輸入額も大きく増加し、7月は前年同月比41.0%増の6,774億香港ドルとなりました。2026年1月から7月までの累計では、輸出が前年同期比40.9%増、輸入が40.6%増となっています。

こうした輸出の急増を支えているのが、AI関連の電子製品です。香港政府の報道官は、AI関連電子製品の輸出が引き続き際立った伸びを示しているとコメント。世界的なAI需要の拡大を背景に、香港の貿易を下支えする状況が今後も続くことに期待を示しています。

■香港の退職者、生活費が3倍近いペースで上昇

香港では、退職者の生活費が過去5年間で年率5%を超えるペースで上昇しています。一方、同じ期間の香港全体の物価上昇率は年率約1.8%となっており、退職者の生活費は約3倍のペースで上昇しています。香港金融プランナー協会(IFPHK)と信託会社YF Life Trusteesが共同で調査を行い、こうした実態が明らかになりました。

退職者の支出指数は、2020年を100とすると、2023年には127、2026年には131.6まで上昇しました。2020年11月から2026年5月までの上昇率は年率換算で5%を超えており、香港全体の消費者物価指数(CPI)の上昇率である年率約1.8%を大きく上回っています。

支出項目では、旅行費の上昇率が最も高く、次いで食費・外食費、越境交通費が続いています。特に中国本土への旅行頻度が大幅に増えたことが、旅行費や越境交通費の上昇につながったと分析されています。