最低賃金が時給37.5香港ドル(約540円)に引き上げか

更新日:2018年11月01日
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最低賃金アップ

香港の最低賃金委員会は昨日、行政長官会同行政会議(Chief Executive-in-Council)へ最低賃金に関する意見報告書を提出しました。意見報告書に対して同意が得られた場合、香港の最低賃金は時給34.5香港ドル(約497円)から37.5香港ドル(約540円)に引き上げられ、早ければ2019年5月1日より施行されます。

最低賃金の引き上げにより香港に住む15.6万人が恩恵を受けると予想されています。また、2017年の香港政府統計局のデータによると、現時点で約2.67万人が最低賃金34.5香港ドルで働いており、ビルの管理人・清掃者、小売り、飲食業が50%を占めていることが分かります。

香港には2011年まで最低賃金という概念がありませんでしたが、2011年に最低賃金が28香港ドルに決定し、2013年に30香港ドル、2015年に32.5香港ドル、2017年に34.5香港ドルと最低賃金が引き上げられました。2019年に最低賃金が37.5香港ドルに引き上げられれば過去一番の引き上げ幅となります。

なお、香港環境衛生業界大聯盟(業界の発展や利益のために問題点や意見をおこなう団体)の代表者である甄瑞嫻(キャサリン・ヤン)は今回の報告を受けて、雇用主の立場から「各企業は最低賃金の引き上げにより今以上の人材不足となる可能性がある。労災保険やMPF(強制積立年金)の負担も増える。住宅や商業ビルなどの管理費も13~14%ほど上がるだろう。」と最低賃金引き上げに対する問題を指摘しています。

最低労働賃金は時給ベースでの表記となっていますが、給与を時給換算した金額が最低賃金を下回っていると違法となりますのでご注意ください。ご不安がある場合は当社までお気軽にご相談ください。