香港経済に回復の兆し、幅広い分野で改善

更新日:2026年05月07日
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住宅価格

香港の2026年1〜3月期のGDP成長率は前年比5.9%増となったこと、4月の住宅販売額は前年比50.9%増で販売件数も29.4%増加したこと、S&Pは香港の住宅価格が2026年通年で8~10%上昇するとの見通しを示したこと、4月の香港国際空港の旅客数は燃料価格の高騰や欠航が続く中でも8%増加したこと、3月の小売売上高は12.8%増となり市場予想を大きく上回ったこと、3月の輸出は35.8%増で輸入は41.2%増となったことをお伝えします。

■香港のGDP、1〜3月期前年比5.9%増
香港政府が5日に発表した2026年第1四半期(1〜3月)の実質GDP成長率(速報値)は、前年同期比5.9%増となりました。AI関連電子部品の輸出が好調だったことに加え、訪港需要の回復によって個人消費も伸びました。前年同期比の成長率としては、新型コロナの影響で数値が大きく変動していた2021年第2四半期(7.6%増)以来、約5年ぶりの高水準となりました。

■香港住宅市場が回復、販売数と価格が上昇へ
香港土地登記所が発表したデータによると、香港の4月の住宅販売額は前年比50.9%増の637億香港ドルとなり、販売件数も29.4%増加しました。住宅ユニットの売買契約件数は7,368件で、前月比16.7%増となっています。

また、S&Pグローバル・レーティングスは、香港の住宅価格が2026年通年で8~10%上昇するとの見通しを示しました。今年後半だけでも3~5%の上昇を予測しており、今後2年間は香港の住宅市場が緩やかな回復局面に入ると分析しています。 また、2026年の新築住宅取引件数は2万1,000戸に達すると予測。一方で、積み上がっていた潜在需要が徐々に解消されることで、2027年の取引件数は1万8,000戸程度まで落ち着く可能性が高いとしています。

■4月の空港旅客数8%増、逆風下でも堅調
4月の香港国際空港の旅客数は、中東情勢による航空燃料価格の高騰や欠航が続く中でも、前年同月比8%増加しました。運輸及物流局長の陳美寶氏は、「中東の地政学的緊張により、アジア太平洋地域の主要な航空燃料価格指数が2倍以上に上昇し、航空業界に大きな運営上の課題をもたらしている」と説明しました。一方、航空会社が香港民間航空局に提出した報告によると、欠航の影響は限定的で、5月と6月の香港発着便の欠航率は全体の5%未満、7月には約1%まで低下する見込みです。

■3月の小売売上高12.8%増、予想超え
香港の3月の小売売上高は前年同月比12.8%増となり、市場予想(9.4%増)を大きく上回りました。統計局によると、2026年第1四半期の小売売上高は前年同期比12.1%増となり、季節調整済値(祝日数など季節的な要因による変動を取り除いた数値)では前四半期比7.8%増となりました。

3月の小売売上総額は339億香港ドルで、ほぼすべての業種で売上が増加しました。特に、電気自動車の新規登録税の優遇措置が3月末で終了する前に駆け込み購入が増えたことで、自動車販売は80.8%増と大きく伸びました。また、宝飾品・時計・貴重品は27.2%増、電気製品・その他耐久消費財は30.1%増となりました。一方、燃料は価格上昇の影響で14.2%減少しました。

■3月の輸出は35.8%増、輸入は41.2%増
統計局が発表したデータによると、香港の3月の輸出額は前年同月比35.8%増の6,184億香港ドルとなり、2021年1月以来で最も高い伸び率を記録しました。背景には、AI関連電子製品に対する世界的な強い需要があります。一方、輸入額は41.2%増の7,075億香港ドルとなりました。貿易赤字は891億香港ドルで、輸入額の12.6%に相当しています。