失業率が0.5%悪化、過去9ヶ月で最悪

更新日:2022年04月22日
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失業率悪化

香港政府の統計局は2022年1月~3月の失業率を5.0%と発表しました。前回(2021年12月~2022年2月)の4.5%から0.5%悪化し、失業者数は前回の161,600人から26,900人に増加し188,500人、過去9ヶ月で最悪と報告されています。ほぼ全ての業界で悪化しています。

特に著しく失業率が悪化したのは、消費財・観光関連(小売、宿泊、飲食含む)で8.9%(1.8%悪化)、飲食業界は11.0%(2.6%悪化)、小売業界は7.7%(1.4%悪化)、建設業界は8.0%(1.6%悪化)、アート、エンターテインメント、レクリエーション業界は11.3%(2.9%悪化)となっています。

労工及福利局の羅致光局長は「労働市場は短期的には依然として圧力にさらされるだろうが、最近の制限緩和と、電子消費券の配布とともに、消費関連のビジネスは徐々に改善され雇用が改善されるはずだ」とコメント。投資銀行Natixis(ナティクシス)のアジア太平洋エコノミストであるGary Ng氏は「失業率は回復をみせる前に更に5.2%まで悪化する。4月の時点では状況は改善していないので、雇用主は雇用に慎重になっている。段階的に制限緩和が続けば、失業率は3.2%まで改善するだろう。2022年後半には労働市場に改善がみられる可能性が非常に高い」と予想しています。

昨日は3ヶ月以上続いた厳しい制限が緩和され、多くの市民がテーマパーク、寺院、ジム、映画館、ミュージアムなどに集まる姿がみられました。ディズニーランドとオーシャンパークでは営業時間前からの親子の列、黄大仙(ウォンタイシン寺)では午前6時から受験のために祈る親子や健康を祈る参拝者の列がみられました。西九龍のM+ミュージアムでは昨日7,355人の入館があったようです。24時間営業のジムでは深夜に再開しすぐにトレーニングに訪れる人の姿がみられたようです。

飲食店でも予約の増加がみられていますが、業種・業態により差があるようです。日本焼肉の牛角、しゃぶしゃぶのモーモークラブや温野菜しゃぶしゃぶ等を運営するLH Groupの黃傑龍代表は「今後2週間は予約で埋まっており、コロナ前の80%の水準(入場制限があるため)に戻っている」と話しています。メディアRTHKでは火鍋レストランの店主が「金曜と土曜ともに夜の予約でいっぱいで、売上は最悪時から60%ほどアップしそうだ」と述べたことを伝えています。

< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規陽性者数は、昨日628人(入境時・隔離中の発見25人、香港市中感染603人)、感染者合計は310,353人(陽性者合計1,200,334人)、死者合計は9,212人、入院者数は2,583人となっています。

ワクチン接種者合計は1回目接種が6,598,294人(92.9%)(シノバック2,870,545人、ビオンテック3,727,749人)、うち2回目接種が6,046,689人(86.9%)(シノバック2,571,933人、ビオンテック3,474,756人)、3回目接種が3,104,777人(シノバック1,012,687人、ビオンテック2,092,090人)となっています。