香港で市中感染拡大の懸念、3日間で20人
香港の新型コロナウイルス感染者は金曜日から日曜日までに103人(入境時・隔離中の発見83人、市中感染20人)増加しています。香港政府は感染者状況を以下のように6段階に分けていますが、Imported case(輸入症例)以外は市中感染に近いと考えられるため、当記事では「入境時・隔離中の発見〇名」、「市中感染〇名」といったように今後は案内するようにいたします。また、この人数には陽性者の数は含まれておりません。
1.Imported case(輸入症例)
2.Local case(ローカルケース)
3.Possibly local case(おそらくローカルケース)
4.Epidemiologically linked with imported case(疫学的に輸入症例と関連)
5.Epidemiologically linked with local case(疫学的にローカルケースと関連)
6.Epidemiologically linked with possibly local case(疫学的におそらくローカルケースと関連)
■感染経路不明の新型コロナウイルス感染者
銅鑼湾(コーズウェイベイ)の日系デパート「SOGO(そごう)」でパートタイム販売員として12月28日まで働いていた20歳女性が感染経路不明でオミクロン株の陽性となりました。普段は屯門(トゥンムン)のショッピングモールH.A.N.D.Sで働いているようです。感染経路不明の域内感染では3人目となります。
また、香港の湾仔に住み、複数のスーパーマーケット(ハッピーバレー、何文田、銅鑼湾、尖沙咀)で働く58歳女性が感染経路不明のコロナ感染者となり、オミクロン株の可能性があるようです。
■香港の議員や感染症専門家の声
飲食業界を代表する議員の張宇人はラジオ番組で「レストランや閉鎖施設の労働者に助成金を与えるべきだ。飲食業界では今月130億香港ドルの売上を予測していたが、2週間の店内飲食禁止で50億香港ドルを失うだろう。現在我々の売上はわずか20%程度だ。この時期は多くの予約があり大量の食材が準備されていたが全て台無しだ。できるだけ早く助成金を与えるべきだ。多くのレストランが潰れてしまう。制限がさらに延長されれば損失はさらに大きくなる」と発言。同じラジオ番組で香港工会総合会に所属する議員の鄧家彪は「ジムやエステは施設閉鎖により70万人~80万人の労働者に影響があるだろう。労働者に直接助成金が与えられることを望む」と発言。
政府アドバイザーの許樹昌(デビッド・ホイ)教授はラジオ番組で「香港は新型コロナウイルス第5波に突入したため厳しい新型コロナウイルス対策をさらに延長すべきだ。オミクロン株はデルタ株の4~8倍感染が早い」と発言。
香港大学の梁卓偉(ガブリエル・レオン)医学院長は「感染の連鎖が断ち切れるかどうか2~3日観察する必要がある。その間、政府は必要に応じて24時間以内に規制を強化できるよう準備し、学校は授業中止や旧正月休みを早める可能性に備えるべきだ。感染経路不明者が増えた場合は在宅勤務の導入にも備えるべきだ」と発言。
■ワクチン未接種のMTR従業員は会社立入禁止
香港で地下鉄を運営するMTRは、全従業員に対して2月23日までに少なくとも1回のワクチンを接種しないと会社オフィスに立入禁止とすると発表しました。
< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規感染者数は、金曜33人(入境時・隔離中の発見26人、香港市中感染7人)、土曜37人(入境時・隔離中の発見30人、香港市中感染7人)、日曜33人(入境時・隔離中の発見27人、香港市中感染6人)、感染者合計は12,935人、死者合計は213人となっています。
ワクチン接種者合計は1回目接種が5,012,123人(74.4%)(シノバック1,875,298人、ビオンテック3,136,825人)、うち2回目接種が4,699,184人(69.8%)(シノバック1,746,351人、ビオンテック2,952,833人)、3回目接種が522,487人(シノバック251,877人、ビオンテック270,610人)となっています。