米中貿易戦争の影響で輸出入や住宅販売が低迷
米中貿易戦争の影響により香港の輸出は6ヶ月連続で減少しており前年度2.6%減(4月)、輸入は5ヶ月連続で減少しており前年度5.5%減(4月)、住宅不動産の販売も低迷していると各香港メディアが伝えています。
香港の4月の輸出は3,215億香港ドル(約4兆5,010億円)で輸入は3,566億香港ドル(約4兆9,924億円)で351億香港ドル(約4,914億円)の貿易赤字となっています。中国のING銀行のエコノミストIrsi Pang氏は「香港の輸出入の減少は想定以上だった。特に輸出はさらに減少が予想され5月の結果は二桁減少となるのではないか」と話しています。香港にとってアメリカは、中国本土に次いで2番目に大きな輸出市場となっていますが、4月のアメリカへの輸出においては17%減少しています。(中国本土での4月の輸出は2.7%減、輸入は4.0%増、アメリカからの輸入は約26%減、アメリカへの輸出は約13%減)。
住宅販売の減少について香港メディアSCMPは「各不動産会社のデータをみてみると、新界(ニューテリトリー)エリアでは新築アパートの供給こそ豊富だが、10%の住宅販売業者はここ2週間で平均5%の値下げをおこない買い手を募っている、160名以上の一般投資家から不動産購入のキャンセルがあり頭金の返金があるようだ」と伝えていました。また、香港の大手不動産会社「美聯物業(Midland)」は「米中貿易戦争が白熱しているため、不確実な状況では一般投資家の多くが様子見をしている状況だ」とコメントをしています。
香港の輸出入や住宅販売に影響を与えている米中貿易戦争。5月10日にアメリカが2,000億米ドル(約22兆2,000億円)相当の中国製品に対する関税率を10%から25%に引き上げると発表してから、中国側は600億米ドル(約6兆6000億円)相当のアメリカ製品に対する関税率を6月1日より最大25%に引き上げるとしています。