香港の刺身からメチル水銀や寄生虫を検出

更新日:2019年04月16日
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寄生虫

香港消費者委員会が香港のレストランやスーパーマーケットで販売されている刺身サンプル50点を検査したところ49点がメチル水銀を含み、うちマグロ刺身の半分以上(19点中10点)が香港政府の定める基準値を超えるメチル水銀を含んでいたと発表しました。また、サーモン刺身1点からは寄生虫、マグロ刺身1点からは寄生虫と卵が検出されました。

香港政府食物安全中心は「水銀は神経系(特に脳の発達)に悪影響を与え、胎児、幼児、子供は特に影響を受けやすい」と案内しており、食物攙雜(金屬雜質含量)規例で、固形の食品は0.5 ppmを超える水銀を含んではならないと定めています。

香港消費者委員会の調査では、回転寿司の「元気寿司」康怡廣場(太古)店のマグロ刺身から寄生虫と卵、パック寿司の「魚尚」荃湾店のサーモン刺身から寄生虫、台湾発の回転寿司「Sushi Express(爭鮮)」荃湾店のマグロ刺身からは1.48 ppmのメチル水銀、スーパーマーケット「Magstore(松坂庫)」湾仔店のマグロ刺身から1.23 ppmのメチル水銀、他にも「板長寿司」太古店、「徳美寿司」沙田店、「和民」荃湾店のマグロ刺身から0.5ppmを超えるメチル水銀が検出されています。

元気寿司はこの結果を否定しており「当社の食品は香港政府の食物環境衛生署の検査に合格している。輸送時はマイナス50度、保存時はマイナス40度を維持している」、Sushi Express(爭鮮)は「サプライヤーに食品の原産地を証明させ、海鮮は定期的な検査もおこなうつもり」、Magstore(松坂庫)は「マグロ刺身の仕入れを中止した」とコメントをしました。

香港サーモンの主な供給国であるノルウェーのノルウェー水産物審議会は「ノルウェー海洋研究所の研究結果が証明しているとおり、ノルウェー産のサーモンから寄生虫が見つかったことはなく、生で食べても安全である」と伝えました。

消費者委員会は「特に妊婦や子供はメチル水銀に警戒するように。妊婦は1.48 ppmのメチル水銀を含む刺身を一週間に6切れ食べればFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)による耐容摂取量を超える」、刺身から寄生虫が見つかった件に関しては「魚を生で食べると寄生虫に感染し腹痛や吐き気などの症状を引き起こす可能性がある」と注意を呼び掛けています。

国際食品規格委員会では「刺身用の魚はマイナス20度で7日間冷凍、あるいはマイナス35度で20時間冷凍することで寄生虫を殺すことができる」と案内されています。

なお、香港の一人当たりのシーフード(水産物)消費量はアジア2位となっています。