香港で知られていない島「石鼓洲(別名:カンオケ島)」
更新日:2018年08月30日
昨日、香港の長洲島から石鼓洲へ向かうフェリーが悪天候により沈没し、他のフェリーにより乗客13名とクルー2名が無事救出されるというニュースがありました。その昔、「棺桶(カンオケ)島」と呼ばれていた石鼓洲という島ですが、現在は立入禁止区域に指定されており許可を得た者しか訪問はできず、ほとんどの人が存在を知らないため、本記事でその秘密をお伝えします。
石鼓洲は長洲島の西約4kmに位置し、かつては無人島で「棺桶(カンオケ)島」と呼ばれていました。そして1962年、薬物依存症のリハビリをおこなう「香港戒毒会(SARDA)」が政府の許可を得てリハビリ施設「石鼓洲康復院」を建設し、現在、約50名の施設スタッフの監督のもと男性患者約200名が生活しています。マカオ行きのフェリーに乗ると通り過ぎるため見かけたことがある方も多いかもしれません。
香港には約40の薬物依存症リハビリ施設がありますが、石鼓洲康復院への入出所は患者の意志で決定できます。毎週水曜が新たな患者の受け入れ日となっており、まず病棟で3週間の集中デトックスがおこなわれ居住施設(全9棟)に移動します。その後、患者には自炊などの家事、捨て犬や捨て猫の世話などの責任が与えられます。アヘンやヘロインの依存症に悩む50歳以上の患者が比較的多く、若い患者はメタンフェタミン(アイス)やケタミンの中毒者が多いのだとか。
石鼓洲康復院の管理者のパトリック氏によると、「石鼓洲の実態について中環(セントラル)で100人に訪ねても8割は存在すら知らないだろう」とコメント。過去には英国のプリンセス・ダイアナが2度の訪問をおこなったことがあり、彼女の名前にちなんで名付けられた建物も存在しているようです。