MRIスキャンをしながら脳手術ができるロボットを香港大学が開発

更新日:2018年06月14日
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MRI

香港大学のエンジニアと香港中文大学の神経外科医が世界初となる「MRIでスキャンをしながら脳外科手術がおこなえるロボット」を共同開発。パーキンソン病や脳腫瘍の患者をMRIでスキャンしながら手術できることは画期的であり大きな注目が集まっています。

開発チームは従来の治療方法と、今回開発をした新型ロボットの特徴を以下のように解説しています。

■従来の治療方法

パーキンソン病の治療は脳に電極を挿入し刺激を与えていくロボット治療だが、MRIと治療ロボットの同時稼働は電磁モーターの動作に影響を及ぼすため、電極位置の変更の度に患者をMRIスキャナーから出し入れする必要がある。患者には局所麻酔を使用し意識がある状態で電極挿入する。通常8~12時間かかる。

■新型ロボット

液体圧で動作するため、患者がMRIスキャナー内にいる状態でロボット治療が可能で、医者はコントロールルームからリアルタイムで電極の位置をモニターできる。患者には全身麻酔を使用し痛みを感じさせない。デュアルアームで脳の両側を同時手術でき作業時間が大幅に短縮される。

新型ロボットは現在前臨床の段階ですが、開発チームは2~3年以内に臨床試験をおこなうことを目標にしています。臨床試験が成功すれば前立腺がんや乳がんの生検への応用も可能となり、大きな期待が寄せられています。