第4章:休息日・法定休日、年次有給休暇

従業員は、雇用期間中に休息日、法定休日および年次有給休暇を受ける権利がある。

休息日

休息日の受給資格

継続的雇用契約に該当する従業員は、7日毎に少なくとも1日の休息日を与えられる。

休息日の定義

休息日とは、従業員が雇用主のために働くことを拒否する権利がある24時間以上の連続した期間のことである。

休息日の指定

休息日は雇用主によって指定される。休息日には、定期休息日と不定期休息日がある。

定期休息日:
雇用主は休息日の指定日を従業員に通知しなければならない。
不定期休息日:
雇用主は、前月の月末までに当月の休息日を指定し従業員に通知しなければならない。通知方法は、口頭による通知、書面による通知または従業員ごとに休息日の勤務表で掲示することにより通知しなければならない。
従業員の同意が得られた場合、雇用主は当初指定した休息日を別の日に振り返ることができる。休息日の振替は、同じ月で当初予定されていた休息日より前の日、または予定されていた休息日以降の30日以内に付与しなければならない。

休息日における強制労働

雇用主は、機械または設備の故障や予期せぬその他の緊急事態が発生した場合を除き、従業員を休息日に働くように強制してはならない。もし、休息日に従業員の就労が必要になった場合、雇用主は当初の休息日から30日以内に休息日を振替えなければならない。また、雇用主は従業員に対して、当初の休息日から48時間以内に休息日の振替を従業員に通知しなければならない。

違反と罰則

正当な理由なく従業員に休息日を与えず雇用主が起訴され有罪となった場合、最高5万香港ドルの罰金刑に処せられる。

休息日における自発的労働

製造分野に雇用されている18歳未満の若年者を除いて、従業員は休息日に自発的に働くことができる。

ただし、従業員が休息日の労働に同意するという条件で、年次賞与や年末手当を支払うという雇用契約の条件は無効である。

休息日の賃金

休息日に賃金が支払われるかどうかは、雇用主と従業員の合意による。

法定休日

従業員は、勤続年数に関係なく次の法定休日を取得する権利がある。

  1. 1月1日
  2. 旧暦正月の元日
  3. 旧暦正月の2日目
  4. 旧暦正月の3日目
  5. 清明節
  6. 労働節
  7. 端午節
  8. 香港設立記念日
  9. 中秋節の翌日
  10. 重陽節
  11. 国慶節
  12. 冬至節またはクリスマス(雇用主がどちらかを選択できる)
    (法定休日における報酬については、後述の「休日手当」を参照)

法定休日における労働

雇用主が従業員に法定休日に労働を要求する場合、雇用主は次の手配を行わなければならない。

指定する振替休日の条件 従業員へ事前通知する際の条件
本来の法定休日から直前60日以内に振替休日を指定すること。または 指定した振替休日から少なくとも48時間前までに従業員へ事前通知すること。
法定休日の直後60日以内に振替休日を指定すること。 本来の法定休日から少なくとも48時間前までに従業員へ事前通知すること。
雇用主と従業員の双方が合意する場合、雇用主は法定休日または振替休日の前後30日以内に再振替休日を指定することができる。

法定休日が休息日と重なった場合

法定休日が休息日を重なった場合、雇用主は別の法定休日、振替休日、代休、休息日と重ならないような直後の日を振替休日として手配しなければならない。

法定休日手当

法定休日の直前3ヶ月間が継続的雇用契約である場合、従業員は法定休日手当を取ることができる。その場合、雇用主は遅くとも法定休日直後の賃金支払日に従業員に対して法定休日手当を支払わなければならない。

法定休日手当の金額は、指定日(下表)より前に12ヶ月間に従業員が得た1日あたりの平均賃金に等しい金額となる。従業員の雇用期間が12ヶ月未満の場合は、その短い期間で計算する。

法定休日の日数 指定日
1日 法定休日の日
連続1日以上 法定休日の初日

注意:平均日給の計算にあたっては、次に該当する(i)期間と(ii)を除いて計算しなければならない。

(i) 一部の賃金または全部の賃金が従業員に支払われなかった期間
  • 休息日
  • 法定休日
  • 年次有給休暇
  • 傷病休暇の期間
  • 女性の産前産後休暇
  • 男性の育児休暇
  • 労働災害による休暇
  • 雇用主の同意を得て従業員が仕事をしなかった期間
(ii) 当該期間に従業員に支払われた金額
  • (詳細は別紙1を参照)

法定休日に代えた給与支払の規制

従業員が法定休日手当を取得する資格があるか否かにかかわらず、雇用主は従業員に法定休日を与えるかあるいは「振替休日」・「代休」を手配する必要がある。雇用主は、法定休日を与える代わりに従業員に何らかの支払いをしてはいけない。つまり、法定休日の「買い上げ」を行ってはいけない。

違反と罰則

正当な理由なく法定休日・振替休日・代休を付与しなかった場合あるいは法定休日手当を付与しなかった場合、雇用主が起訴され有罪となれば、最大5万香港ドルの罰金刑に処せられる。

年次有給休暇

従業員は継続的契約によって12ヶ月間雇用された後に年次有給休暇を取得できる権利が付与される。従業員の年次有給休暇の権利は、勤続年数に応じて7日から最大14日まで徐々に増加する。

勤続年数 年次有給休暇の権利日数
1年 7日
2年 7日
3年 8日
4年 9日
5年 10日
6年 11日
7年 12日
8年 13日
9年またはそれ以上 14日

年次有給休暇の付与

従業員は、年次有給休暇が付与された年度の12ヶ月間が終った後、次の12ヶ月間で有給休暇を取得することができる。

年次有給休暇の取得日は、従業員または従業員の代理人と相談し雇用主が指定しなければならない。通知の期間に関する合意がなければ、雇用主は少なくとも14日前従業員に書面で通知しなければならない。

年次休暇は分割しないで付与されなければならない。ただし、従業員の要求に応じて雇用主は以下の方法で年次休暇を付与することができる。

年次有給休暇が10日以下 3日までは分割付与できるが、残りは連続付与すること
年次有給休暇が10日を超える 少なくとも7日を連続付与すること
年次有給休暇の取得期間は、休息日または法定休日があれば、他の日に休息日または法定休日を振替えなければならない。

年次有給休暇手当

年次有給休暇の1日あたりの支払は、指定日直前に12ヶ月間に付与された賃金を日数で平均して計算する。従業員の雇用期間が12ヶ月未満の場合は、その短い期間で計算する。

年次有給休暇の日数 指定日
1日 年次有給休暇の取得日
1日以上の連続した日 年次有給休暇の初日

注意:平均日給の計算では、次の(i)と(ii)を除外して計算する。

(i) 一部の賃金または全部の賃金が従業員に支払われなかった期間
  • 休息日
  • 法定休日
  • 年次有給休暇
  • 傷病休暇の期間
  • 女性の産前産後休暇
  • 男性の育児休暇
  • 労働災害による休暇
  • 雇用主の同意を得た休暇
  • 雇用主から仕事を与えられなかった通常の勤務日
(ii) 当該期間に従業員に支払われた金額
  • (詳細は別紙1を参照)
年次有給休暇手当は、年次有給休暇を取得した直後の賃金支給日に支払われなければならない。

違反と罰則

正当な理由なく年次有給休暇を付与しなかった雇用主は起訴され有罪となれば、最大5万香港ドルの罰金刑に処せられる。

年次有給休暇手当を支払わなかった雇用主が起訴され有罪となった場合、最大5万香港ドルの罰金刑に処せられる。

年次有給休暇の買取制限

従業員は、年次有給休暇の10日を超える日数については買取を選択できる。

雇用契約終了時の年次有給休暇買取

年次有給休暇の年度とは、雇用開始日から始まる12ヶ月の期間とその後の12ヶ月ごとの期間である。ある年次有給休暇の年度内で、従業員の雇用契約が終了した場合は、終了の理由にかかわらず取得していない年次有給休暇を買取ってもらえる。年次有給休暇の1日当たりの額を計算する際は、「雇用契約の終了日」を「指定日」とする。(「指定日」については、前述の「年次有給休暇手当」を参照)。

重大な不法行為により懲戒解雇された場合を除いて、ある年次有給休暇年度において3ヶ月以上12ヶ月未満の間雇用されていれば、年次有給休暇手当の按分額を受け取ることができる。

雇用期間 年次有給休暇の権利日数
12ヶ月未満 3ヶ月未満 なし
3ヶ月以上12ヶ月 懲戒解雇 なし
自己都合退職

現在の休暇年度における権利日数
×
現在の休暇年度における雇用期間(日数)

365

懲戒解雇以外の解雇
12ヶ月以上 現在の有給休暇年度において3ヶ月未満 未取得の取得可能日数*
3ヶ月以上12ヶ月 懲戒解雇 未取得の取得可能日数*
自己都合退職

未取得の休暇日数*+現在の休暇年度における権利日数
×
現在の休暇年度における雇用期間(日数)

365

懲戒解雇以外の解雇
雇用期間
12ヶ月未満 3ヶ月未満
3ヶ月以上12ヶ月 懲戒解雇
自己都合退職
懲戒解雇以外の解雇
12ヶ月以上 現在の有給休暇年度において3ヶ月未満
3ヶ月以上12ヶ月 懲戒解雇
自己都合退職
懲戒解雇以外の解雇
年次有給休暇の権利日数
12ヶ月未満 なし
なし

現在の休暇年度に付与された年次有給休暇
×
現在の休暇年度における雇用期間(日数)

365

12ヶ月以上 未取得の取得可能日数
未取得の取得可能日数*

未取得の休暇日数*+現在の休暇年度における権利日数
×
現在の休暇年度における雇用期間(日数)

365

* 直前の休暇年度における未取得の年次有給休暇権利日数のことである。

共同休暇年度

雇用主は、すべての従業者の共同休暇年度として連続した12ヶ月間を選ぶことができる。雇用主が共同休暇年度を採用する場合は、書面で各従業員に対して1ヶ月前に通知するか、雇用場所の目立つ場所に通知を掲示する必要がある。

共同休暇年度内に、ある従業員の勤務期間が12ヶ月未満の場合、その従業員の年次有給休暇は按分して付与される。その按分計算の結果生じた1日未満の端数は1日として計算する。

雇用主と相談した後、従業員は共同休暇年度の開始前に発生した年次有給休暇を取得するかまたはそれを繰越し、次の年次有給休暇年度に発生した休暇の取得日数に加えて取得することができる。

【例】
共同休暇年度:
2010年1月1日から2010年12月31日まで
雇用開始日:
2010年9月1日
年次有給休暇の日数按分:122÷365×7=2.34(切り上げて3日とする)
(*122は2010年9月1日から2010年12月31日までの日数)
従業員は3日を2011年に取得するかまたは2011年度に付与される7日の年次有給休暇と合わせて2012年度に10日を取得してもよい。

年次有給休暇での一斉休業

雇用主が従業員に年次有給休暇を与えるために事業全部または事業の一部を閉鎖しようとする場合、少なくとも1ヶ月前までに従業員に対して書面で通知しなければならない。

一斉休業期間中に、まだ年次有給休暇を取得する権利のない従業員が一斉休業のために仕事を停止しなければならない場合、その従業員に対して一斉休業期間中に年次有給休暇を与えなければならない。

従業員の年次休暇が一斉休業の日数を超える場合、一斉休業の直後に残りの年次有給休暇を取得することができる。

雇用主によって選ばれた共同休暇年度は、直前の年次有給休暇年度に関連して付与されたものとみなされるため、一斉休業により影響を受けることはない。

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