2024年の施政報告を香港政府が発表
香港の将来的な計画や目標を示す「2024年 施政報告」を香港政府が発表しました。アルコール度数の高いお酒の税率引き下げ、退職金に関する制度の変更、新資本投資移民ビザで住宅用不動産を投資対象として許可、トップタレントパスの申請対象となる大学を追加しビザ期間を延長など、一部の日本人にも関係する内容もあります。以下に主な内容をお伝えします。
【ビジネス】
・アルコール度数が30%を超えるお酒の税率引き下げ。輸入額が200香港ドルを超える部分について現在の100%から90%引き下げて10%に。
・中小企業向け融資担保計画(SME Financing Guarantee Scheme)の借り手は、12か月の元本返済猶予を申請可能。
【雇用】
・退職金である解雇補償金(Severance Payment)と長期服務金(Long Service Payment)の支払いにおいて、雇用主が積み立てたMPF(年金の強制積立金)で相殺できる制度を2025年5月1日より廃止。
・雇用法上の権利が保護される継続雇用の規定が、現在の「4週間以上で毎週18時間勤務(つまり合計72時間)」から「4週間以上で合計68時間」へ変更。
・法定最低賃金を1年に1回見直し。
【人材】
・香港で3,000万香港ドルを投資する外国人を対象として香港移住を受け入れる「新資本投資移民ビザ(CIES)」について、5,000万香港ドル以上の不動産物件であれば住宅用不動産も投資対象として許可。ただし投資額としてカウントされるのは1,000万香港ドルまで。また、申請者が100%所有する会社を通じて行われた投資は2025年3月1日以降は申請者の投資としてカウントされる。
・トップタレントパスの申請対象となる大学を13校追加し合計198校に、さらに初回のビザ期間を2年から3年に延長。
【不動産・住宅】
・住宅購入者は、物件価格や自宅使用か賃貸使用かに関係なく、物件価値の最大70%の住宅ローンを組むことができ、返済比率は月収の50%に。
【観光】
・パンダ、競馬、ヨットを香港観光の目玉として推進。
・香港国際空港の第三滑走路を年内に完成させ、2035年には処理能力が50%アップ。
・中東およびASEAN(東南アジア)からの訪問者を誘致し、空港やタクシーでアラビア語のサービスを奨励、ハラール食品を提供するレストランのリスト作成などを奨励。
・沙頭角での文化エコツーリズムを推進し、沙頭角の1日あたりの訪問者数の限度枠を今年末までに3,000人に増やす。
【環境】
・2027年半ばまでに約20万台の電気自動車充電駐車スペースが利用可能に。
2024年施政報告
https://www.policyaddress.gov.hk/2024/en/index.html