取扱量の多いコンテナ港、世界トップ10から香港脱落

更新日:2024年04月19日
LINEで送る
Pocket

景気

世界で最も取扱量の多いコンテナ港のランキングで香港が11位となりランキング史上初めてトップ10から脱落したこと、統計局が2024年2月の輸出入の統計を発表し前年同月比で輸出量は6.2%減で輸入量は6.8%減となったこと、2024年1月~3月の失業率は3.0%で前回から0.1%悪化したことをお伝えします。

■取扱量の多いコンテナ港、世界トップ10から香港脱落
フランスの海事調査会社アルファライナー(Alphaliner)が「世界で最も取扱量の多いコンテナ港」のランキングを発表し、香港が11位となりランキング史上初めてトップ10から脱落しました。1位は上海、2位はシンガポール、3位は寧波舟山、4位は青島、5位は深圳、6位は広州、7位は釜山、8位は天津、9位はロサンゼルス/ロングビーチ、10位はドバイ/ジュベル・アリとなり、トップ10のうち6か所が中国となりました。

香港は1992年から12年間連続で世界1位でしたが、アジア太平洋地域での競争激化、新型コロナウイルスのロックダウンによるサプライチェーンの混乱、地政学的な緊張などが理由で、シンガポールや中国本土の港に次々と追い抜かれ、2005年以降ランキングは下がり続けています。また、貨物量は7年連続減少となっており、2023年のコンテナ取扱量は前年比14.1%減の1434万2000TEUに落ち込みました。(TEUとは20フィートの海上コンテナに換算した貨物量を表す単位。例えば10TEUは、20フィートコンテナ10個分の貨物量。)

香港の元行政長官である梁振英は「中国とASEAN(東南アジア諸国連合)の間の貿易が近年急速に発展していることから、ベトナムに近い広西が香港に追いつくだろう」と予測しています。なお、空港の貨物でみると、香港国際空港は13年連続で世界で最も貨物取扱量が多い空港となっています(国際空港評議会ACIが発表)。

■2024年2月の輸出量は6.2%減、輸入量は6.8%減
香港政府の統計局が2024年2月の香港の輸出入の統計データを発表しました。2024年2月と2023年2月を比較すると輸出量は6.2%減、輸入量は6.8%減となっており、金額でみると輸出額は5.8%増、輸入額は5.5%増となっています。

国別の輸出量では、台湾(23.3%減)、ベトナム(22.6%減)、中国本土(8.2%減)への輸出量は減少。米国(6.6%増)とインド(11.9%増)への輸出量は増加しました。国別の輸入量では、台湾(15.7%減)と中国本土(15.5%減)からの輸入量は減少。米国(6.9%増)、シンガポール(18.1%増)、韓国(79.0%増)からの輸入量は増加しました。

■2024年1月〜3月の失業率、0.1%悪化の3.0%
香港政府の統計局が2024年1月~3月の失業率を3.0%と発表しました。前回(2023年12月~2024年2月)の2.9%から0.1%悪化。失業者数は前回の102,300人から9,400人増加して111,700人となっています。