香港は鬼節(盂蘭節)、不吉な場所と縁起の悪い行為

更新日:2023年08月29日
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不吉な場所

香港の旧暦7月(8月16日~9月14日)は、日本のお盆にあたる「鬼節(盂蘭節)」となり、あの世の門が7月から徐々に開き、鬼(日本の幽霊に相当)がこの世にやってくる期間と考えられています。そして旧暦15日(8月30日)はあの世の門が完全に開き、たくさんの鬼が街にあふれると信じられています。この時期になると鬼から身を守るために街のあちこちでお供え物(果物、肉など)やあの世のお金(冥銭)を燃やす光景が見られます。

鬼節(盂蘭節)を英語でゴーストフェスティバルといい、銅鑼湾(コーズウェイベイ)のビクトリアパークでは9月1日~3日まで「盂蘭文化節2023」というゴーストフェスティバルが10時~20時まで開催される予定です。香港各地でも関連イベントが多く開催され、紙で作られた巨大な鬼王が出現するでしょう。

香港では鬼節(盂蘭節)の期間に気をつけるべき「不吉な場所(幽霊スポット)」と「縁起の悪い行為」があります。これらは毎年のように増え続けていますが、最新の「不吉な場所」と「縁起の悪い行為」を以下にまとめてみました。

●鬼節での不吉な場所(幽霊スポット10選)
1.元朗達徳小学校
1931年に創立、1988年に廃校となってから幽霊の話が絶えない。一説には第二次世界大戦時、元朗の多くの村人が日本軍に反抗し殺害されたとも。2011年に12人の男女が肝試しに入り、1人の女性が発狂、一緒にいた人たちも長髪の赤い服を着た幽霊を見たと証言。

2.パシフィックプレイス
金鐘(アドミラルティ)のショッピングモール「パシフィックプレイス」の場所は元々ビクトリア兵舎であり、第二次世界大戦時は日本軍が戦犯の尋問場所として使用していた。モール閉館後に警備員が日本軍の行進を防犯カメラ越しにみた、トイレの水道が勝手に流れたり止まった入りする、人影が出現するなどが報告されている。

3.大埔松仔園の橋
1955年8月28日の鬼節の夕方、旅行でキャンプに訪れていた学生や鉄道職員らが突然の鉄砲水で流されて100人以上が怪我をして28人が死亡するという凄惨な事故が発生した。

4.摩星嶺の巨大な頭の赤ちゃん
摩星嶺(Mount Davis)は香港島西にある1906年に設立されたイギリス軍の要塞の1つであり、第二次世界大戦には日本軍が占拠した。日本軍やイギリス軍の姿をした幽霊が目撃されており、通常の3倍くらい大きい頭の赤ちゃんを見たとの話もある。

5.西貢結界
西貢は海や山などの自然が豊富な地域。2005年に休暇中の警察官が一人でハイキングに訪れ遭難し、座標値のような番号と共に救援依頼の電話をするが、番号の解読ができず未だに行方不明。これをきっかけに「西貢結界」と呼ばれており、他にも多くの行方不明者や死亡者がいる。

6.赤柱マレーハウスの怨霊
170年以上の歴史がある赤柱のマレーハウスは、第二次世界大戦中、日本軍により憲兵隊本部として利用された。4000人を超える香港人が処刑され、怨念が蓄積されたと言われている。1960年~70年代頃には香港政府オフィスの1つとして使用されており、多くの幽霊話が報告された。

7.香港理工大学の這う子供
現在の香港理工大学は、第二次世界大戦中に多くの遺体が埋葬された場所と言われる。理工大学の教授の幼子が校内プールで溺れて死亡するという事故が発生してから、たくさんの学生から食堂からプールを見ていると溺れている子供が見え、急に消えると報告されている。

8.MTR彩虹駅
MTR彩虹駅の建設時に幽霊の出入り口の門を開けてしまったと言われている。列車が彩虹駅を通過する際によく故障が起きる。職員が亡くなるなどの事故も起きたと言われている。長髪の女性や老人が線路を歩いているという話もある。

9.旺角の雷生春
旺角(モンコック)にある雷生春は1931年に建てられ1980年代まで裕福な家族がここで生活していた。その後は空き家となっているが、夜中に明かりついていた、頭の無い子供が人の頭を蹴っていたなどの噂が飛び交っている。

10.油街のアートスペース
北角(ノースポイント)の油街にあるアートスペースは以前、香港政府の倉庫として利用されていた。近くに葬儀場があり、噂では一時期、遺体置き場として使われていた。付近の住民から人魂を見た、夜中に多くの人が集まり奇妙な声を出し続けているかと思ったら突然消えたなどの噂が絶えない。

●鬼節での縁起が悪い行為
・街に散らばる灰を踏んで自宅に持ち帰らない。(運気が下がる)
・紙を燃やす様子を撮影しない。(鬼が写る可能性があり縁起が悪い)
・燃やした紙を踏まない。(鬼が横取りされたと思って怒る)
・供物に触れない、近くでは静かにする。(鬼の邪魔になるため)
・夜に洗濯物を干さない。(服の揺れが鬼への手招きに見えるため)
・壁沿いを歩かない。(鬼は壁沿いの涼しい場所で休憩している)
・路上のお金を拾わない。(鬼があの世への通行料に使う可能性がある)
・ご飯に箸を刺してはいけない。(お線香のようで鬼が寄ってくる)
・人に呼ばれた気がしても振り向かない。(鬼に呼ばれている可能性)
・みだりに肩を叩かない。(頭と肩にある人間の陽気「火」が弱まって鬼が乗ってくる)
・全身「赤」或いは「黒」の服を着ない。(全身この色だと鬼に憑依されやすい)
・鈴を身に着けない。(鈴の音は鬼を呼び寄せる)
・路上で食べ歩きをしない。(鬼が食べ物に引き寄せられる)
・夜中エレベーター内で鏡を見ない。(エレベーターは地獄へアクセスするといわれていて、鏡に何かが映りこむと言われている)
・夜中にひげをそらない。(毛には生命エネルギーがあり、剃ると鬼に入られやすい)
・夜、写真(或いはセルフィ―)を撮らない。(鬼と一緒に写るかも)
・バスタブに水を張ったままにしない。(水は鏡と一緒で、鬼の通路になる)
・終電には乗らない。(遅い時間は陰の気が強くなるので、鬼に出くわしやすい)
・水遊びに注意(この時期の鬼は海、川など水辺で遊ぶため、乗り移られるかも)
・ゴミを放置しない(鬼の通行の妨げになる)
・旧暦7月に結婚しない(旧暦7月は運が良くないと言われる)
・寝る時にスリッパの先を頭に向けない(幽霊がスリッパの方向をたどってやってくる)
・刺身等の生もの、血がついた物を食べない(幽霊は血なまぐさいものが好き)
・鬼節のピーク時に、梨、バナナを食べない(バナナの漢字の「蕉」が招くという音と似ている、梨が「来」という音に似ている)