香港、水産物輸入禁止を拡大する可能性は低い
福島第一原発の処理水海洋放出により、香港政府が日本の10都県からの水産物を輸入禁止にしている件について、環境及生態局局長の謝展寰は「日本からの水産物輸入禁止の範囲を10都県以外にも拡大する可能性は低いがあり得る。10都県以外の地域から輸入された食品の放射線量が基準値を超えた場合は規制措置を拡大する可能性がある。香港の市場で入手可能な日本食品はすべて安全であり安心して消費できる」と話しました。
また、香港政府が水産物の輸入を禁止した翌日の8月25日(金)に、回転寿司チェーン「スシロー」の香港上環店では開店時間前から20人以上が並び、1時間の待ち時間にも関わらず昼12時までに続々と客が来店したとロイターは報じています。列に並んでいた22歳のVeritaさんは「放射線についてはあまり心配していません。何事においても節度が大切ですよね?寿司の外食を時々することは、重大なリスクにはならないはずです」とインタビューに答えていました。
香港メディアThe Standardでは、日本の東京大使館が8月26日(土)、中国のソーシャルメディアWeibo(微博/ウェイボー)にスシロー上環店に行列ができているロイターの写真を投稿し「香港の合理的な消費者に『いいね』したい。水産物の輸入禁止には科学的根拠がなく受け入れられないと考えている。中国の消費者が冷静になって科学的データに基づいて判断することを望む」とコメントし、一部の中国人ユーザーから大使館職員を批難するコメントが寄せられたことを伝えました。昨晩時点で、この投稿には1万2000件以上のコメントが寄せられていたが、日本大使館側がコメント機能をオフにしたため、すべてが表示されなくなったようです。
なお、香港政府の食物安全中心は下記ウェブサイトで、日本からの水産物を輸入禁止とした8月24日以降からの輸入日本食品の検査結果をアップデートしています。この結果は毎営業日に発表され、水産物、海藻、海塩、肉類、フルーツ、野菜、牛乳、粉ミルク、冷菓、飲料、その他について、現時点で合格となっています。
https://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_rafs/daily_japan_nuclear_incidents.html