スターフェリーが赤字続きで経営危機
本日は香港の観光名所スターフェリーが赤字続きで経営危機となっていること、キャリーラム行政長官が現在の新型コロナウイルス対策制限令を更に厳しくはしないと話したこと、東莞と深センが封鎖したことで香港市場には大きな影響があったが香港への物流には影響がないことをお伝えします。
■スターフェリーが赤字続きで経営危機
香港の観光名所であり市民の交通機関でもあるスターフェリーが経営危機にあると報じられています。スターフェリーを運営する天星小輪有限公司の新任責任者の周卓賢は「巨額の損失が会社の資産をはるかに上回っており、すでに債務超過となっている。日々の運営は借金で賄っており限界に近い。現在の環境はスターフェリーの経営に深刻な脅威を与えている。会社としては歴史的価値や皆さんの記憶を守らなければならないというジレンマに陥っている。ただしこの環境を乗り越えられるかというと決して楽観視できない」と述べました。
スターフェリーは、中環(セントラル)~尖沙咀(チムサーチョイ)及び中環(セントラル)~湾仔(ワンチャイ)の2路線ありますが、今年初めの2か月間で乗客数は合計100万人、2019年の同時期と比べわずか27%でした。2019年6月以降、この30か月間で会社の累積赤字は7,000万香港ドル(約10.5億円)となっています。
■行政長官「制限令を更に厳しくはしない」
キャリーラム行政長官は現在の新型コロナウイルス対策制限令について「制限はすでに最も厳しいと言えるので、これ以上厳しくする予定はない。さらに厳しくする場合は市民の精神衛生を考慮しとても慎重になるべきだ。一方、まだ制限を緩和する予定もない」と記者会見で話しました。
■東莞も都市封鎖で香港経済に大ダメージ
新型コロナウイルスの感染拡大により、中国広東省の深セン市に続き、東莞(ドンガン)市も3月21日(月)まで都市封鎖を発表しました。両市の公共交通機関は停止しており、不要不急の外出や市外への移動も禁止されています。さらに、多くの企業の生産活動が停止となっており、東莞では宿舎と食堂を固定し、従業員の行動を追跡できるようにしない限り工場稼働できなくなっているようです。
深セン市の大部分の企業が操業停止となったことで、香港の株式市場は取引開始直後から売り注文が膨らみ「ハンセン指数」の終値は先週末と比べて4.9%下落、約6年ぶりの安値となりました。
また、香港のキャリーラム行政長官は深センとの物流の影響について「深セン当局より、香港への供給に影響はないと聞いている。出入境検問所でトラック運転手が商品の荷降ろし、受け取りをおこなう」と話しています。
< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規陽性者数は、昨日26,908人(入境時・隔離中の発見0人、香港市中感染26,908人)、感染者合計は263,411人(陽性者合計635,675人)、死者合計は4,279人、入院者数は9,905人となっています。
ワクチン接種者合計は1回目接種が6,421,286人(91.1%)(シノバック2,761,016人、ビオンテック3,660,270人)、うち2回目接種が5,435,525人(80.4%)(シノバック2,146,096人、ビオンテック3,289,429人)、3回目接種が2,297,987人(シノバック799,746人、ビオンテック1,498,241人)となっています。