香港で新型コロナウイルス第5波が急拡大

更新日:2022年01月24日
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ロックダウン

香港域内での新型コロナ感染者数は、金曜18人、土曜25人、日曜125人となり、オミクロン株の急増が懸念されています。新界エリアの葵涌(クワイチョン)の公営団地「葵涌邨」の住民と訪問者、170人から陽性が確認されており、2つの棟(ブロック)でロックダウンが実施されています。オミクロン感染者のパキスタン女性の夫が葵涌邨に訪問したことが感染拡大の原因とされています。

■香港政府「制限緩和の可能性は極めて低い」
香港政府のアドバイザーである袁國勇は「感染経路の追跡が失敗すれば、第5波を制御するため最大3ヶ月かかる。ワクチン接種率が70%で推移しているため、国境を再開したり施設を再開したりすることはまだ不可能だ。新型コロナ感染時に深刻な合併症に苦しむことがないよう、全員のワクチン接種を確実にするため、できるだけ早くワクチンバブルを実施する必要がある」と発言。同じく香港政府のアドバイザーの許樹昌は「旧正月の連休明け2月4日に現在の新型コロナウイルス対策制限が緩和される可能性は極めて低い」と発言しています。

■飲食団体「このままでは500店舗が閉店する」
飲食業界団体である香港餐飲聯業協会の黄家和(サイモン・ウォン)会長がラジオ番組で「旧正月のディナー予約の多くがキャンセルとなった。飲食業界は1月と2月で80億香港ドルの損失を受ける。2月になっても店内飲食が禁止であれば1ヶ月以内に500店舗以上のレストランが閉店しても不思議ではない」と話しています。

■ロックダウンの公営団地「葵涌邨」の状況
公営団地「葵涌邨」の1つの棟「逸葵樓」では、1月21日(金)から2,700人の住民が外出できない状況となっています。もう1つの棟「映葵樓」は1月22日(土)から外出できない状況となりました。香港政府による食事提供が一日遅れ、食料のない一部の住民が翌日まで食料を待つということもありました。

香港政府は葵涌邨にいる全ての政府関連の職員に対して、しばらくオフィスに来ないようにと通知。医師で元議員の陳沛然はロックダウンに備えて「5日分の食品を買いだめるべき」とブログで発言し、議員の林哲玄が「買いだめを勧めると、市民がパニックになりスーパーに殺到して感染が拡大する」と反論があったことも話題となっています。

< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規感染者数は、金曜24人(入境時・隔離中の発見6人、香港市中感染18人)、土曜26人(入境時・隔離中の発見1人、香港市中感染25人)、日曜140人(入境時・隔離中の発見15人、香港市中感染125人)、感染者合計は13,034人(陽性者合計13,286人)、死者合計は213人となっています。ワクチン接種者合計は1回目接種が5,246,129人(77.9%)(シノバック2,007,472人、ビオンテック3,238,657人)、うち2回目接種が4,751,130人(70.5%)(シノバック1,771,420人、ビオンテック2,979,710人)、3回目接種が792,728人(シノバック350,055人、ビオンテック442,673人)となっています。