香港の出生率は世界ワースト4、実際にはワースト1の可能性も

更新日:2018年08月13日
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出生率低下

CIA(アメリカ合衆国中央情報局)による年次刊行物「ザ・ワールド・ファクトブック」に掲載された世界224か国・地域の出生率(TFR:15~49歳の女性が産む子供の数の平均)のデータで、世界で最も出生率が低いのはシンガポール(0.83)、次にマカオ(0.95)、台湾(1.13)、香港(1.19)と続きました。香港政府の労工及福利局の局長である羅致光氏は少子高齢化による労働力不足に懸念を示しています。

CIAの発表する香港の出生率には、「香港人と結婚した中国人女性の出産」、「外国人ヘルパーの出産」も含まれているため、実際には香港人女性の出生率はさらに低くなると羅致光氏は指摘しています。香港では香港人と結婚した中国人女性が5,000~6,000人おり、彼らの子供が出生率の9~10%を占めているとのこと。

これまで香港政府は「出産は個人の自由」との姿勢を示してきましたが、羅致光氏は「子育ての奨励なども含め、政策の見直しを検討すべき。子供が欲しい夫婦が子供を諦めなくてよい社会となるよう改善していくのも労工及福利局の仕事だ。」とコメントしています。

先月、香港青年協会が実施したアンケート調査では、20~39歳の香港人のうち約20%が「子供を一人も欲しくない」と回答しており、主な理由としては「子育ての費用、責任、住宅価格」があげられていました。