ハイキング中に18歳の学生が落雷に打たれ死亡

更新日:2018年07月03日
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ハイキング 雷

7月2日(月)、香港の馬鞍山(マーオンサン)で18歳の学生がハイキング中に落雷に打たれ死亡する事故が発生しました。落雷による死亡事故は香港では珍しく、香港天文台が落雷警報を発令してから2時間経たないうちに事故が発生、この日は正午から午後1時までに香港全域で3138回の落雷が観測されました。

18歳学生の盧高彥(イアン・ロー・ゴーイン)さんは6人の友人とピラミッド・ヒルでハイキングを楽しんでいた際に落雷に打たれて意識を失い、救助ヘリコプターで柴湾(チャイワン)東区病院に搬送されましたが午後2時15分に死亡が確認されました。盧さんは、香港仔(アバディーン)の高校(ESFサウス・アイランド・スクール)を卒業したばかりで、高校時代は香港代表としてアジア太平洋トーナメントや国際大会に出場するほどの野球少年だったようです。また、9月からは大学への入学が決まっており、大学関係者は「これは悲劇的な事故であり盧さんの家族や友人を支援していく」とコメントをしました。

馬鞍山(マーオンサン)周辺の登山専門家は今回の落雷事故を受け、「広大な広場で雷雨にあった場合は身の安全を守るために避難できる場所を見つけ、携帯電話での通話を避けて、あらゆる金属的なものを捨てるべき。」だと主張しています。

死亡事故の他にも、今回の落雷と豪雨により以下のような事故・被害が報告されています。

・午前11時頃、長州島では豪雨により木が落下し、24歳の男性が頭部と腕に怪我を負う事故が発生。
・午後12時15分頃、新界エリアで雨や強い突風が1時間あまり続き、13本以上の木々が倒れる事態が発生。
・跑馬地(ハッピーバレー)にて、20メートルの木が倒れ、1時間以上道路が封鎖。

・銀線湾(シルバーストランドビーチ)、清水湾(クリアウォーターベイビーチ)が遊泳禁止。

なお、上記「登山専門家」の主張に対して、日本人有識者の方から避難方法に対する指摘がありました。日本大気電気学会などで案内されている避難方法をご案内いたします。

■草原のような広場で雷が鳴った時の対処方法
雷から身を守るための一番の方法は、身を低くする(かがむ姿勢を取る)ことである。ただし足だけを地面に付けることが大切で、決して腹ばいなどにならないように注意してください。腹ばいになると近くで落雷があった際に電流がながれる恐れがあります。靴底はゴム素材でできていることが多く、身を守ることができます。また身を低くした後は、手で耳を抑え、鼓膜を守りましょう。

■周りに木など高い物体がある場合
高い物体(4m~20m)のてっぺんから45度の角度で描かれる空間は保護範囲と呼ばれており比較的安全です。ただし、木の根元などは危険なため、幹、枝、葉から2m以上は離れてください。

■車は安全
車は安全です。側に避難場所がない場合は車に逃げましょう。ただし、周囲に建物があれば建物の方がより安全です。

■その他
身に着けている金属を外すことが効果的と言われるが、洋服のジッパーなどから放電されて命が助かったケースもあります。
万が一、雷に打たれた人がいる場合は素早い蘇生措置が重要です。心肺停止状態の場合は人工呼吸をしてください。