香港の大埔のバス横転事故の詳細

更新日:2018年02月12日
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事故現場

香港の大埔(タイポー)付近で2月10日(土)夜に発生した2階建てバスの横転事故。死者19名、負傷者65名(うち10名重体、20名重傷)の大事故となったことは日本のニュースでも大きく取り上げられました。香港のニュースでは、さらに詳しい内容が報道されていますので皆さまにお伝えいたします。

大埔に向かう道路で発生したバス横転事故は、バス運行が10分遅延していたことに乗客がクレームをつけ、運転手がスピードを上げて下り坂でコントロールを失ったことが原因だと考えられています。乗客からは「過去に乗車したバスで一番速かった」、「運転手は腹を立ててわざとやっているようだった」、「カーブや下り坂でもスピードを落とさなかった」、「横転前に数十メートルスリップをして車内はめちゃくちゃだった」、「事故後には救出活動をしない無傷の運転手に腹を立て、暴力をふるった乗客がいた」という証言が寄せられています。事故原因を分析するエンジニアは「下り坂に入った時点での時速は最大68kmであったことが想定される」と話しています。

香港政府は、ジョッキークラブなどのチャリティー団体と協力をして寄付金を募っており、遺族の家族に対して30万香港ドル(約420万円)、負傷者に対しては15万~25万香港ドル(約210万円~350万円)を支払う予定と発表。バス会社であるKMBは少なくとも8万香港ドル(約112万円)を被害者に支払うと発表をおこないました。

また、2月11日の21時半までで、被害者を救うために約2,200人が香港赤十字血液センターに集まり、約1,000名の献血が集まったことも分かりました。現在、香港赤十字血液センターのウェブサイト上には、市民への感謝とともに待ち時間が3時間を超えたことに対する謝罪文が掲載されています。

なお、今回のバス横転事故を受け、議員や市民から「2月17日(土)の旧正月花火イベントは中止すべきではないか?」との声が上がっています。これについて行政長官キャリー・ラム氏は記者会見で「被害者の家族の支援が再優先です」とだけ回答をおこないました。

今回の死傷者の大半はバスの2階部分の乗客でした。2階建てバスを利用する際は、なるべく1階部分でシートベルトを着用してご乗車することをおすすめします。