ワゴン式飲茶の老舗「名都酒樓」が9月に閉店

香港の金鐘(アドミラルティ)の有名レストラン「名都酒樓(メトロポールレストラン/Metropol Restaurant)」が、2025年9月27日に閉店すると発表されました。約35年にわたり営業してきた老舗で、点心ワゴンが店内を巡る伝統的な飲茶スタイルで知られています。地元の人だけでなく、日本人観光客にも長く親しまれ、広い店内と本格的な点心で人気を集めてきました。
名都酒樓(メトロポールレストラン)は、日本発祥の中国料理店「聘珍樓(へいちんろう)」グループによって展開されています。聘珍樓は日本最古の中華料理店とされ、1884年に張姓の華僑が横浜中華街で創業。数世代にわたり経営が受け継がれましたが、第二次世界大戦で荒廃した後、当時のオーナーの友人であった龐柱琛(のちに日本へ帰化し、林達雄と改名)が店を買い受け、再建を果たしました。1967年に林達雄が有限会社聘珍樓を設立し、1988年には香港現地法人を設立して香港展開を開始しました。
現在、香港の鑽石山(ダイヤモンドヒル)および觀塘(クントン)には、同グループが経営する「聘珍樓」の支店があり、引き続き営業を継続しています。これらはグループ内でも最も高級路線の広東料理レストランとして知られ、結婚披露宴などにもよく利用されています。
閉店する名都酒樓(メトロポールレストラン)が入る金鐘のユナイテッドセンター4階は、約3億5440万香港ドルで香港の大学「香港科技大学」に売却される予定となっています。
名都酒樓(Metropol Restaurant)
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