香港の元宵節(ランタンフェスティバル)を詳しく解説
2024年2月24日(旧暦1月15日)は「元宵節(げんしょうせつ)」となり、香港では旧正月の最終日として、湯圓(トンユン)という団子を食べるなどして満月の日を祝う習慣があります。ランタンを灯して街を歩いたり、飾ったりすることから、英語名ではランタンフェスティバル(Lantern Festival)と呼ばれます。元宵節にやってはいけないタブーなどを紹介しながら解説していきます。
元宵節に食べる「湯圓(トンユン)」とは、もち米を原料とした団子であり、丸い形が家族団らんを象徴し、新年の幸運や家族の調和をもたらすと信じられています。湯圓の中に入る具は様々あり、甘いものでは砂糖、胡桃、ゴマ、小豆餡、氷砂糖など、塩辛いものでは肉や野菜で作られた具が入ります。香港では元宵節の他にも冬至に家族団らんの象徴として湯圓を食べる習慣があります。
元宵節にランタンが飾られる理由には諸説ありますが、Wikipediaによると「仏教を支持していた明皇帝が、旧暦の1月15日に仏教の僧侶が寺院の提灯を灯すことを見て、各寺院や家庭で旧暦の1月15日の夜にランタンを灯すように命じて習慣となった」という説があります。
また、元宵節にはやってはいけないというタブーがあり、香港メディアU港生活では星占いとタロットカードの専門家である小孟老師による「元宵節のタブー15選」を以下のように特集していました。
1. お金を借りてはいけない。良い運気を相手に貸してしまうから。
2. 鳥をいじめてはいけない。元宵節の起源は、猟師が玉皇大帝(中国道教における事実上の最高神)の神聖な鳥を誤って撃ち落したことで玉皇大帝が激怒して人間界に火をつけようとしたという言い伝えがあるため。
3. 元宵節は天官大帝(道教の三大皇帝の一)の誕生日なので、神を怒らせないように家族、友人、子供と喧嘩をしてはいけない。
4. 髪を切ったり洗ったりしてはいけない。髪を切ることは富を切ること、髪を洗うことはお金を流すことを表すため。
5. 生き物を殺してはいけない。この日が誕生日である天官大帝は天を司り、また「福星」を代表する神様。福星の下では殺生をしてはいけないと言われている。
6. 引っ越ししてはいけない。全ての祝福が奪われてしまうため。
7. 家をノックしてはいけない。祝福や富が打ち壊されてしまうため。
8. 海辺に行ってはいけない。鋭利なものを使ってはいけない。道教の神である臨水夫人は妖魔との戦いで入水時に大量の血を失ったという言い伝えがあるため。
9. 米びつは底をついてはいけない。ご飯がなくなるとお金が底をついてしまうと言われているため。
10. 服を破いてはいけない。全財産を失ってしまうため。
11. 黒と白の服を着てはいけない。投獄を象徴するため。
12. 家を暗くしすぎてはいけない。家が暗すぎるのは暗い未来を象徴することから、古代より元宵節には提灯が灯された。
13. 鏡の前にランタンを置いてはいけない。鏡は陰に属し、鏡の前にランタンを置くことは冥界の死霊に道を示し悪霊を引き寄せるため。
14. 湯圓を食べる時に茶わんを叩いてはいけない。昔は乞食が茶わんを叩くことがあったため、叩くととお金が失われる。仲の良い人を招いて食べる際に茶碗を叩いて遊ばないように注意。
15. 氷を食べてはいけない。富の神でもある寒單爺は寒さを恐れているので、氷を食べすぎると富を遠ざけるため。
なお、元宵節は中国のバレンタインデーとも呼ばれています。古い時代の中国では夜間の外出が禁止されており、普段は家の中から出ることができない身分のある女性が、元宵節の夜だけは自由に外出し楽しむことが許可されていました。年頃の男女にとって出会いのチャンスであったとのことから、中国のバレンタインデーと呼ばれるようになったそうです。