香港での賃金上昇率と新卒者の月給
本日は、香港の今年の平均賃金が3.8%上昇すると予想されていること、新卒者の希望給与と雇用主が考える月給に乖離があること、香港の若者の人口が驚くべき速度で減少していること、海産物の輸入を禁止している県からのホタテ貝と海藻製品がみつかり食品安全命令違反の疑いがあることをお伝えします。
■香港での賃金上昇率と新卒者の月給
香港人力資源管理学会(HKIHRM)が香港の賃金上昇率の動向調査を実施し、2023年の賃金は平均3.8%上昇、2024年は4.1%の上昇を予想すると発表しました。中国本土大湾区の9都市(広州、深圳、東莞など)は2023年に平均5.5%上昇、2024年は5.4%上昇と予想されています。
賃金上昇率の動向調査は今年1月〜9月に12業界の香港企業209社と従業員13万1,350人および中国本土大湾区の9都市の10業界の384社と15万5904人の従業員を対象におこなわれました。
また、香港の求人プラットフォームCTgoodjobsは月給に関する調査結果を発表しました。香港の新卒者が期待する月給は平均で24,838香港ドル(約475,000円)、雇用主が考える新卒者の月給は17,293香港ドル(約330,750円)であり、約7,500香港ドル以上の差があると伝えられています。
■香港の若者の人口が驚くべき速度で減少
香港政府の統計局は最新の人口統計を発表しました。2022年末から6ヶ月間で15歳〜34歳の人口は16,000人以上減少しており、香港メディアThe Standardは「驚くべき速度で減少しており若者を失っている」と伝えています。
25歳〜29歳の人口減少は最も大きく2022年末の438,900人から6ヶ月間で430,700人まで減少、15歳〜19歳は5,000人減少、30歳〜34歳は3,500人減少となっています。一方で20歳〜24歳は305,500人から306,000人となり500人増加しています。
コンサルティング会社Watson ConsultancyのダイレクターのSuen Lap-man氏は「15歳から34歳までの香港人の多くが、海外での勉強や就職を選択していることで人口減少を引き起こしている可能性がある。20歳から24歳の人口増加は、香港に居住する中国本土の学生の増加によるもの」と解説しました。
なお、香港政府の統計局は今後の人口予測も発表しており、香港は高齢化しながら人口増加を続け2046年には全体で819万人になると予想しています。
■日本の海産物に食品安全命令違反の疑い
香港政府の食物安全中心は、昨日の輸入食品検査で、日本の宮城県で漁獲と加工されたホタテ貝と、東京と茨城で加工された海藻製品を発見し、輸入業者が食品安全命令に違反した疑いがあると発表しています。食物安全中心は、追跡調査をおこない必要に応じて日本の当局に通知し、輸入業者を告訴するなどの適切な措置を講じるとしています。
香港では8月24日以降、日本の10都県(東京、福島、千葉、栃木、茨城、群馬、宮城、新潟、長野、埼玉)から香港への水産物(活き、冷蔵、冷凍、乾燥、海塩、海藻)の輸入を禁止しています。