香港での旧正月の過ごし方、明日から5連休

更新日:2023年01月20日
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お年玉の渡し方

2023年1月22日(日)は旧正月であり、多くの会社は1月21日(土)~25日(水)まで香港は5連休となります。旧正月(春節/Chinese New Year)とは、旧暦(中国暦)の1月1日のことであり毎年日付が異なります。香港など中華圏では新暦の1月1日よりも重要な祝祭日となっています。明後日は新年を祝う多くの行事が開催されますが、大規模規模イベントである花火大会は新型コロナウイルス流行のため中止となりました。

以下には、香港の旧正月の過ごし方で重要となる「お年玉の利是(ライシー)の金額や渡し方」、「旧正月のならではの食事」、「旧正月にやってはいけないこと」のご案内と同時に、大注目の宝くじ「マークシックス(六合彩)」についてもご案内します。

■お年玉の利是(ライシー)の金額や渡し方
香港には旧正月にお年玉を渡す習慣があり、日本とは入れる金額や渡し方が異なります。お年玉は広東語で利是(ライシー)と呼ばれ、ライシーを渡す相手は子供だけではなく、独身者、会社の部下、マンションの警備員、馴染みのレストランの店員などの幅広い方々に感謝の気持ちを込めて渡します。ライシー袋の中には新札のお金を入れることが良いとされており、新札には「新年の新しい空気の象徴」という意味があります。ちなみに、古いお札は「喜びや財運が過ぎ去ったり弱っていることの象徴、アンラッキーを表す」などと言われています。

ライシーの相場は20香港ドル程度から始まり、日頃からお世話になっている方には50香港ドル、会社の部下や親戚のような関係が近い方には100香港ドル、自分の子供には500香港ドルなどと言われていますが、厳格なルールはありません。マンションの警備員や馴染みのレストランの店員に100香港ドルを渡す人も多いようです。必ず偶数にすべきという説もあり、「良いことはペアだから。2は幸運と繁栄、6は願いは叶う/ラッキーナンバー(六六大順)、8は富を象徴。4は偶数だが死と音が似ているため不吉なので避けたほうが良い。奇数は寂しい数字と見なされ、お葬式などで包む場合は奇数を使うので避けたほうが良い。」と言われています。

ライシー袋の色は魔除けの赤色、または高貴な色である黄色や紫色が多く使用されており、袋の表面には「恭賀新禧(新年の幸福を祝う)」「大吉大利(幸運でうまくいく)」などの縁起の良い言葉が書かれています。なお、空っぽのライシー袋を送るのは、相手が空っぽになるようにと呪うことになるので絶対やめるべきとされています。

ライシーを渡す際は、明けましておめでとうの広東語「新年快楽/サンニンファーイロッ」または、お金持ちになれますようにの広東語「恭喜發財/ゴンヘイファッチョイ」という言葉を交わして手渡すのが一般的。ライシーを受取った方は、健康でありますようにの広東語「身體健康/サンタイギンホーン」または、思い通りにいきますようにの広東語「萬事如意/マンシールーイ)」と縁起のよい言葉を返すのが一般的です。

■旧正月の香港ならではの食事について
香港では旧正月に日本のお節料理にあたる「盆菜(プンチョイ、Poon Choi)」を食べる習慣があります。盆菜とは、一つの大きな器に調理された鶏、あひる、魚、エビ、牡蠣、豚、湯葉、シイタケなどが盛り付けられる料理で、伝統的には旧正月前に手作りをしますが、最近はレストランやホテルでの購入や宅配依頼をすることが一般的となっています。盆菜の歴史は数百年あり、香港の新界(ニューテリトリー)エリアの元朗(ユンロン)あたりでは原住民の伝統的料理とされており、昔は新年だけでなく新居への引っ越し、祖先の霊堂の開廟など、おめでたい出来事があった際に、盆菜でお祝いをしていました。

盆菜の他にも、大晦日の食事と新年初日の食事には運気アップのための以下のような習慣があります。

< 大晦日の食事について >
・家族全員で食事し、遅くまで食べる。(長生きと関連)
・魚の頭としっぽを残す。(去年の食べ物が余るほど豊かである)
・餃子を食べる。(昔のお金の形に似ている)
・湯圓(団子スイーツ)を食べる。(圓=家族仲良く)
・年糕(お餅)を食べる。(進歩、出世、長生きする)
・ニラを食べる。(切っても生えてくる縁起のよさ)
・長年菜(からし菜)を切らずに食べる。(長生きの象徴)
・米櫃や水桶を空にしない。(一年間の食べ物不足を回避)
・油をこぼさない。(幸運が逃げるのを回避)

< 新年初日の食事について >
・先祖や神様に供え物をし、一年の無事と繁栄を祈る。
・肉は食べずに野菜を食べる。(殺生はしない)
・年糕(お餅)にカビが生えても捨てない。(お金が増え発展する)
・鹹湯圓(塩団子)は食べない。(別名、乞食飯と呼ばれている)
・ご飯を炊かずに大晦日の残り物を食べる。

■旧正月にやってはいけないこと
旧正月にやってはいけないと言われていることをご紹介します。掃除やゴミ捨て、借金の返済などは旧正月前に済ませておくのが大切です。

1.新年初日に妻の実家を訪れてはいけない
新年初日に妻の実家を訪れる行為は結婚生活の問題を表し、家族全体に不幸をもたらすと考えられているため、新年2日目の訪問が吉。

2.新年初日にご飯を作ってはいけない
新年初日は大晦日の残り物を食べる。「余り物がある=今年も余裕がある」と考えられています。

3.新年初日の朝食では肉を食べない
新年初日の朝には多くの神様が訪れると考えられており、ベジタリアンの神様も多いため肉は食べてはいけない。

4.新年初日は起こされてはいけない
新年初日に起こされて目覚めると、仕事に追われる1年になると言われています。

5.新年初日のおかゆは禁止
おかゆには豊かなイメージがないため、おかゆを食べると貧乏な1年を過ごすと言われています。

6.薬を飲んではいけない
旧正月に薬を飲むと病気で過ごす1年になると言われている。病院訪問も良くないが、大きなケガや病気などの場合は仕方ないとされている。

7.時計のプレゼントはしない
掛け時計や置き時計は中国語で「鐘」、終わりを意味する「終」と同じ発音であるため、非常に縁起の悪いプレゼントです。

8.財布を出したままにしない
財布をポケットやカバンなどから出したままにすると、お金を失う1年になると言われています。

9.昼寝をしてはいけない
昼寝をすると、ダラダラとした1年を過ごすと言われています。

10.髪を切ってはいけない
散髪は幸運を切り落とす行為であり、ハサミや尖ったものも片づけた方が良いでしょう。

11.入浴や洗髪をしてはいけない
散髪と同様に、幸運を洗い流してしまう行為とされています。

12.借金返済を求めること、求められてもいけない
旧正月中に借金返済を求めたり、求められたりすると不幸な1年になると言われています。

13.物を割ってはいけない
中国語での割るは「破」。破産を連想させるため縁起が悪いと言われています。

14.物を取られてはいけない
身近な人からであっても、他人から物を取られると財産が奪われる1年になるとされています。

15.泣いてはいけない
元日に泣いてしまうと、1年泣いて過ごすと言われており、子供のしつけも緩くする慣習があります。

16.縁起の悪い話をしてはいけない
死や幽霊の話、汚い言葉を使うことも良くないとされています。

17.掃除やゴミ捨てをしてはいけない
掃除やゴミ捨てによって幸運を捨ててしまうと言われています。旧正月になる前に掃除やゴミ捨てをしておきましょう。

18.本を買ってはいけない
広東語で本の発音は「しゅー」。負けるという言葉の「しゅー」の音と似ている。

19.靴を買ってはいけない
広東語で靴の発音は「はいー」。香港人がため息をつくときの音と同じである。

■マークシックス(六合彩)一等は8000万香港ドル
旧正月の宝くじ「マークシックス(六合彩)」は注目です。スノーボールドロー(Snowball Draw)と名付けられたマークシックスは通常よりも賞金が高く、一等は8000万香港ドル(約13億1477万円)となっており、昨晩より販売が開始されています。

マークシックスは49個の数字から6個の数字を選んで楽しむ宝くじで6個全てが当たると一等となります。一口10香港ドル(約164円)から気軽に購入できるため香港で大人気です。マークシックスはジョッキークラブが運営しており、香港各地にある場外馬券場(Off-Course Betting Branches)やオンラインで販売されています。購入の締め切り時間は1月26日(木)21時15分となります。

< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規陽性者数は、昨日4,015人、感染者累計は530,302人、死者累計は13,010人、現在の入院者数は3,344人となっています。ワクチン接種者合計は1回目接種が6,912,013人(94.6%)、うち2回目接種が6,792,170人(93.1%)、3回目接種が5,826,446人(83.6%)、4回目接種が1,013,916人、5回目接種が47,571人となっています。