ホテル隔離短縮による香港の反応

更新日:2022年08月10日
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航空券

香港政府が8月12日(金)からホテル隔離3日間+医学的観察4日間と発表したことによる、香港内でのインバウンド・アウトバウンドに対する変化、旅行代理店Trip.comのデータでみられた航空チケット購入者の変化、香港・ロンドン間のチケット価格の高騰についてお伝えします。

また、ホテル隔離短縮の発表に合わせて約4,000人のホテル隔離が早期終了しましたが、一部ホテルでは状況把握ができておらず7日間のホテル隔離を宿泊者に求めるなどの混乱も発生しています。

●インバウンド・アウトバウンドの変化
香港旅遊業議会の総幹事の楊淑芬はホテル隔離の短縮により「香港の人々は旅行が大好きで旅行に飢えているため、アウトバウンド旅行者は間違いなく増加する。20~30%の増加を予想している」との考えを述べました。

インバウンドについては「他国の人々は隔離が全く無い場所に行きたがるため、ホテル隔離がある香港にインバウンド旅行者を惹きつけることは難しい。隔離ホテルの予約が容易ではないことも問題だ。観光業を復活させる唯一の方法は、全ての検疫制限を解除すること」と話しています。

香港旅遊業議会とは、香港政府により承認された香港の旅行代理店を取りまとめる組織であり、香港内の旅行代理店はこの組織に加盟することで旅行代理店ライセンスを取得しています。

●旅行代理店Trip.comのデータ分析
中国最大のオンライン旅行代理店Trip.comのデータによると、香港政府がホテル隔離期間の短縮を発表した月曜日に香港着のフライトチケットの予約数が前日比249%増加となりました。香港着のフライトチケットは主に、バンコク、ロンドン、台北、シンガポール、マンチェスターからの出発チケットでした。また、香港発のフライトチケットの予約数も前日比176%と増加しています。

●香港・ロンドン間の航空チケットが高騰
キャセイパシフィック航空で8月18日(木)までの香港とロンドン間の直行便のチケットを見てみると、8月18日(木)まで、ロンドン発・香港着のチケットが「エコノミーで片道1,176ポンド~(約19万円~)」、香港発・ロンドン着のチケットは「エコノミーで片道13,599香港ドル~(約23万4000円~)」、香港とロンドン間の往復チケットは「34,352香港ドル~(約59万円~)と高騰しています。

香港メディアThe Standardでは、旅行業界の関係者の情報を元に「ツアー旅行の問い合わせは増えているがフライトチケットが高額であるため旅行を思いとどまる人もいる」との情報を発信しています。

< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規陽性者数は、昨日4,045人(入境時・隔離中の発見262人、香港市中感染3,783人)、感染者合計は362,158人(陽性者合計1,393,327人)、死者合計は9,550人、入院者数は1,546人となっています。

ワクチン接種者合計は1回目接種が6,777,454人(93.1%)(シノバック2,993,282人、ビオンテック3,784,172人)、うち2回目接種が6,532,299人(89.7%)(シノバック2,854,984人、ビオンテック3,677,315人)、3回目接種が4,671,207人(68.4%)(シノバック1,680,193人、ビオンテック2,991,014人)、4回目接種が232,001人(シノバック103,994人、ビオンテック128,007人)となっています。