香港の欧州企業の約半数が移転を計画
本日は、香港に拠点を置く欧州企業の約半数が今後1年以内に全面移転または部分移転を計画しているという香港欧州商工会議所の調査結果。4月1日からの公共サービス再開と、海外からの到着者の隔離ホテルの拡大などのコロナ関連ニュースをお伝えします。
■香港の欧州企業の約半数が移転を計画
香港欧州商工会議所が1月18日から2月5日の期間、香港に拠点を置く欧州(ヨーロッパ)企業260社を対象にオンラインアンケート調査「COVID-19のビジネスコミュニティへの影響」をおこない、香港のコロナ規制を理由に欧州企業の25%が1年以内に全面移転を計画、24%が1年以内に部分移転を計画していることが発表されました。
260社のうち50%以上が、コロナ規制により海外人材の獲得が難しいと回答しており、その理由について40%が「隔離、渡航制限、家族との分離」、14%が「ビザの関係」、12%が「子供の学校閉鎖」と答えたようです。
その他にも、以下のようなアンケート結果が公開されています。
・回答を得た企業の33%において、従業員の25%以上が入境時隔離を懸念し香港からの移住を決意
・助成金の効果を5点満点で評価すると平均2.2点
・助成金の効果を4点以上と評価したのは8%
香港欧州商工会議所は「ゼロコロナ政策が香港のビジネスと居住者に深刻な結果をもたらし、香港の最大の強みである世界との接続と中国との接続がほぼ完全に停止している。3分の2の企業が事業戦略や採用に影響が出ている。一方、香港政府の努力により香港の死亡率は他国よりはるかに低いことは認める」とコメントをしています。
調査がおこなわれた時期は、香港のキャリーラム行政長官が今後の制限緩和方針に関する中間発表をおこなった日(3月21日)より前で、制限が次々に強化されていた時期です。
レポートは香港欧州商工会議所のホームページで確認できます。
https://www.eurocham.com.hk/publications/eurocham-survey-on-the-impact-of-covid-19-on-the-business-community
■香港内のコロナ関連ニュース
香港政府は4月1日より徐々に公共サービスを再開し、4月21日に完全再開を目標としています。ただし、一部の対面サービスは他の方法へ切り替わる可能性があります。
患者隔離に利用されていた13か所のホテル4,400部屋以上(Dorsett MongkokやRegal Oriental Hotelなど)が、4月1日より海外からの到着者の隔離ホテルに戻されます。
香港政府は4月、全ての家庭にコロナ対策パック「抗原検査キット20個、KN95マスク20個、漢方薬、コロナ対策パンフレットなど」を配布すると発表しました。
< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規陽性者数は、木曜13,074人(入境時・隔離中の発見1人、香港市中感染13,073人)、金曜10,405人(入境時・隔離中の発見4人、香港市中感染10,401人)、土曜8,841人(入境時・隔離中の発見6人、香港市中感染8,835人)、日曜8,037人(入境時・隔離中の発見2人、香港市中感染8,035人)、感染者合計は284,081人(陽性者合計1,128,507人)、死者合計は7,252人、入院者数は10,841人となっています。
ワクチン接種者合計は1回目接種が6,502,737人(91.9%)(シノバック2,807,304人、ビオンテック3,695,433人)、うち2回目接種が5,739,542人(83.9%)(シノバック2,352,712人、ビオンテック3,386,830人)、3回目接種が2,701,887人(シノバック904,826人、ビオンテック1,797,061人)となっています。
1日の感染者数が2日連続で10,000人を下回ったのは2月下旬以来となりますが、衛生署の歐家榮は「まだ制限を緩和する時ではなく、流行が封じ込められた後に段階的に緩和すべきだ」とコメントしています。