香港で需要が高まる極狭マンション建設に規制か?

更新日:2021年10月15日
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ナノフラット

香港政府は香港で需要が高まる「ナノフラット」と呼ばれる極狭マンションの建設を問題視しており、香港政府の発展局局長の黃偉綸は「早ければ来年には、住宅の最小サイズを210平方フィート(19.5平米)程度に設定する可能性がある」と述べました。現状の香港の法律では住宅面積の最小値に関する規制はありません。

土地開発政策を研究する非政府組織「本土研究社」は、過去10年間に香港ではナノフラット(260平方フィート未満と定義)が10,900戸販売され、ナノフラットは昨年の新築マンションの約10%を占めたと発表。屯門(トゥンムン)で2019年に完成した73戸のナノフラット「T Plus 菁雋」は香港最小の128平方フィート(11.9平米)の部屋が235万香港ドル(約3440万円)で販売され、香港メディアでは「車の駐車場より小さい。ベッドを置くことすら難しい」と話題になりました。なお、現在「T Plus 菁雋」の168平方フィート(15.6平米)の部屋は月額家賃8,500香港ドル(約12万4440円)で賃貸されています。

本土研究社の陳劍青は「住宅面積の最小値は260平方フィート(24.2平米)に設定すべきで、それ以下のアパートを禁止するために政府は土地売却条件を規制すべき」と提案しています。また、発展局局長の黃偉綸は「個人住宅のサイズに下限を設定すると、不動産価格が上昇し市民がアパートを購入するのがさらに難しくなるという批判があるのは理解している」とも述べました。

香港の2016年の国勢調査によると、香港世帯の1人当たりの面積の中央値は161.5平方フィート(15平米)です。黃偉綸は「1人当たりの平均居住空間は東京で210平方フィート(19.5平米)、上海は260平方フィート(24.2平米)、シンガポールは270平方フィート(25.1平米)、深センは300平方フィート(27.9平米)である」と述べています。なお、日本の不動産情報サイト「ホームズ」は2019年の記事で「一人暮らし向け物件(ワンルームまたは1K)は25平米前後が標準的」と述べています。

< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規感染者数は、一昨日3人(域内感染者0人)、昨日1人(域内感染者0人)、感染者合計は12,277人、死者合計は213人となっています。ワクチン接種者合計は1回目接種が4,547,035人(対象者約680万人中66.9%)(シノバック1,651,467人、ビオンテック2,895,568人)、うち2回目接種が4,308,417人(シノバック1,568,242人、ビオンテック2,740,175人)となっています。