香港は鬼節(盂蘭節)、街中で紙を燃やす儀式

更新日:2021年08月18日
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伝統行事

香港は8月8日~9月6日(旧暦7月)まで、日本のお盆にあたる「鬼節(盂蘭節)」となります。あの世の門が徐々に開いて鬼(=幽霊)がこの世にやってくる期間で、8月22日があの世の門が完全に開く鬼節のピーク日です。最近、街頭でお供え物や、紙を燃やす光景が良く見られるのは鬼から身を守る儀式になります。

いつもは各地で鬼節のイベントが開催され、紙で作られた巨大な鬼王が出現しますが、今年は新型コロナウイルスの影響で大規模イベントが軒並み中止となっています。

鬼節(盂蘭節)は民間に深く根差した行事であるため、大規模イベントがなくなっても、香港の街のあちこちで鬼節の風習を見ることができます。あの世から来たお腹をすかせた鬼から身を守るために、街頭にはお腹いっぱいのお供え物(果物、肉など)を置き、お線香をささげて紙で作った服やお金を燃やして鬼に届ける光景が沢山見られます。

鬼節(盂蘭節)での禁忌事項を紹介します。
・街に散らばる灰を踏んで自宅に持ち帰らない。(運気が下がる)
・紙を燃やす様子を撮影しない。(鬼が写る可能性があり縁起が悪い)
・燃やした紙を踏まない。(鬼が横取りされたと思って怒る)
・供物に触れない、近くでは静かにする。(鬼の邪魔になるため)
・夜に洗濯物を干さない。(服の揺れが鬼への手招きに見えるため)
・壁沿いを歩かない。(鬼は壁沿いの涼しい場所で休憩している)
・路上のお金を拾わない。(鬼があの世への通行料に使う可能性がある)
・ご飯に箸を刺してはいけない。(お線香のようで鬼が寄ってくる)
・人に呼ばれた気がしても振り向かない。(鬼に呼ばれている可能性)
・みだりに肩を叩かない。(頭と肩にある人間の陽気「火」が弱まって鬼が載ってくる)
・全身「赤」或いは「黒」の服を着ない。(全身この色だと鬼に憑依されやすい)
・鈴を身に着けない。(鈴の音は鬼を呼び寄せる)
・路上で食べ歩きをしない。(鬼が食べ物に引き寄せられるとの言い伝えあり)
・夜中エレベーター内で鏡を見ない。(エレベーターは地獄へアクセスするといわれていて、鏡に何かが映りこむと言われている)
・夜中にひげをそらない。(毛には生命エネルギーがあり、それをそぐと鬼に入られやすい)
・夜、写真(或いはセルフィ―)を撮らない。(鬼と一緒に写るかも)
・バスタブに水を張ったままにしない。(水は鏡と一緒で、鬼の通路になる)
・終電には乗らない。(遅い時間は陰の気が強くなるので、鬼に出くわしやすい)
・水遊びに注意(この時期の鬼は海、川など水辺で遊ぶため、乗り移られるかも)