政府がワクチン接種率を増やすキャンペーンを発表
本日は、香港政府が8月末までにワクチン接種率を増やし集団免疫の獲得を目指すキャンペーンを発表したこと、ワクチン接種でレストランの夕食代が30%割引となる計画があること、香港大学の微生物学者がワクチン接種率70~80%まで制限緩和すべきでないと発言したことの3つの話題をお伝えします。
■ワクチン接種率増加キャンペーンを政府が発表
キャリーラム行政長官が、8月末までにワクチン接種率を増やし集団免疫の獲得を目指す「全城起動 快打疫苗(Early Vaccination for All)」キャンペーンを発表しました。香港政府はワクチン接種者を対象とした様々な報酬プログラムを発表する予定があるとのこと。学校の新学期(香港では9月)を安全に迎えることも目標に掲げています。
キャリーラムの発表に合わせて食物及衛生局局長の陳肇始は「新型コロナの第5波が起こればワクチン未接種者に対して、レストラン、学校、寮、工事現場、図書館、ミュージアム、映画館、パフォーマンス会場、スポーツ会場などハイリスク場所への立入を禁止とする可能性がある」と話しました。
〇その他、ワクチン接種を条件に政府が予定していること
・公務員にはワクチン接種の有給休暇を与える
・公共場所での集まり、施設の収容人数や営業時間などの緩和
・フロントラインワーカーの新型コロナの定期検査の免除
・企業による接種者に向けたインセンティブ提供を歓迎
・集団免疫の獲得後、海外や中国本土でのビジネスと旅行を再開
なお、地下鉄MTRもワクチン接種者500人を対象に、無料年間パスが抽選で当たるラッキードロー計画を発表しました。
■ワクチン接種で夕食代が30%割引となる計画
飲食業を代表する議員である張宇人がラジオ番組で「7月半ばから2ヶ月間、4人以上のワクチン接種者が着席しているテーブルに対して、夕食代(昼食は対象外)を30%割引とする計画がある。飲食業界からの反応は良く、多くのレストランが興味を示している。旅遊発展局(政府)が割引のプロモーションを手伝ってくれる」と話したことが話題となっています。
■ワクチン接種率70~80%まで緩和すべきでない
香港大学の微生物学者の何栢良は「新型コロナ第5波が起こるのは時間の問題、制限緩和はワクチン接種者のみを対象とすべき。健康上の理由からワクチン接種できない人に対しても制限緩和すべきでない。1日の新規感染者数がゼロになったとしても、ワクチン接種率が低ければ制限緩和すべきでない。ワクチン接種率70~80%になった場合にのみ全体の制限を緩和してもよい」と発言しました。
< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規感染者数はコロナ昨日4人(域内感染者0人)、感染者合計は11,842人、死者合計は210人となっています。ワクチン接種者合計は1回目接種が約1,379,400人(人口の約18.4%)(シノバック594,800人、ビオンテック784,700人)、うち2回目接種が約1,021,000人(シノバック436,000人、ビオンテック584,900人)となっています。なお香港から近い中国の広州市では、約20人の新規感染者やインド型変異株の感染者が見つかったことで多くの航空便キャンセルや中心部でのロックダウンが実施されたと報じられています。