雇用維持プログラムの詳細が発表

更新日:2020年04月15日
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香港政府は昨日の記者会見で、香港の労働者の給料の50%(最大9,000香港ドル/月)を6ヶ月間補助する雇用維持プログラムの詳細を発表しました。前回の発表とは異なる点もあります。キャリー・ラム行政長官は、「すぐに承認される事を切実に願う」と話しており、17日(金)の議会での承認が期待されています。

■雇用維持プログラムの詳細
香港政府の労工及福利局局長の羅致光氏は、給料の50%(最大9,000香港ドル/月)を6ヶ月間補助する雇用維持プログラムを二段階に分けるとし、第一弾の申請は5月に受付け6月までに「6、7、8月分」の給与補助の配布を予定していると発表。第二弾の「9、10、11月分」の給与補助の詳細は後日発表となるようです。給与額や従業員数の算定根拠は、MPFの記録に基づくとのこと。

< 条件や計算方法>
・6、7、8月の従業員数と給与額が、3月時点での従業員数と給与額より少なくなってはいけない。(無給休暇中の従業員数も含む)
・6月~11月の6ヶ月間は従業員を解雇してはいけない。
・補助金は雇用主に配布されるが、全額を従業員に支払わなくてはならない。
・「給料の50%」の計算方法は、従業員の1、2、3月の給料のいずれかを基準として選び申請する。

また、羅致光氏は、虚偽申告は補助金の没収に加えて罰金や刑罰の対象となると警告しており、「従業員を解雇して友人や親戚を代わりに雇用することで従業員数を維持し申請するなどの行為は詐欺罪としてみなされる可能性がある」。その他にも「雇用主が受け取った補助金を従業員の給与以外に使用した場合は、従業員は政府に通報できる」と説明しました。

追加経済対策の約1,375億香港ドル(約1兆9,250億円)のうち810億香港ドル(約1兆1,340億円)が、今回の雇用維持プログラムに充当されるとのこと。今後、失業者やMPF未加入の自営業者への援助、中小企業への融資などの追加経済対策が検討されています。

本日時点での、香港での新型コロナウイルスの感染者は、昨日から3人増え計1,012人、うち退院者数は434人となっています。感染者の増加は緩やかですが、キャリー・ラム行政長官は「まだ気を緩めてはいけないし、制限措置も緩めてはいけない」と注意喚起をしています。なお、IMF(国際通貨基金)は、14日公表した世界経済見通しで、2020年の成長率予測を「世界経済:マイナス3.0%」、「香港:マイナス4.8%」、「日本:マイナス5.2%」と引き下げています。