香港政府が約1,375億香港ドルの追加刺激策

更新日:2020年04月09日
LINEで送る
Pocket

No image

香港政府は昨日、約1,375億香港ドル(約1兆9,250億円)の追加刺激策として「労働者の給料の50%を6ヶ月間補助」、「16の業界の支援に約2,940億円を支援」、「地下鉄が7月1日から運賃を20%割引」、「長官と主要当局者の給料は1年間10%削減」などを発表しました。これらにより香港政府の今年の財政赤字は2,766億香港ドル(約3兆8,724億円)に膨らむ見込みです。なお、明日から4月13日(月)まで、香港はイースターで4連休となります。

■香港政府の追加刺激策の内容
香港政府が発表した、約1,375億香港ドル(約1兆9,250億円)の追加刺激策の内容を伝えます。

≪ 労働者給料の50%を6ヶ月間補助 ≫
新型コロナウイルスの影響を受けた約150万人の労働者に対して、給料の50%(最大9,000香港ドル/月)を6ヶ月間補助する雇用維持プログラムを発表。

補助金は二段階に分かれ、第一弾は6月頃に雇用主へ配布される予定です。従業員を解雇した場合やMPF(年金)を支払っていない場合は補助金が受け取れないとのこと。香港政府から詳細が発表され次第、皆様にお伝えします。

なお、追加刺激策の約1,375億香港ドル(約1兆9,250億円)のうち800億香港ドル(約1兆1,200億円)が雇用維持プログラムに充当されます。補助金が雇用主に配布されたかは従業員にも分かるようになるとのこと。

≪ 16の業界支援に約2,940億円を支援 ≫
新型コロナウイルスの影響を受けた16の業界支援に210億香港ドル(約2,940億円)が割り当てられます。現時点では、詳細は公表されていません。

以下は香港メディアThe Standardで伝えられた業界と支援金です。香港政府サイトなどで公表されていた内容ではありませんが、ご参考までにお伝えします。

飲食業:25万~220万香港ドル(約350万~3,080万円)
バー、ナイトクラブ、カラオケ:5万香港ドル(約70万円)
映画館:1スクリーンにつき10万香港ドル(約140万円)
エステやマッサージ:最大10万香港ドル(約140万円)
ホテル:最大40万香港ドル(約560万円)
旅行会社:最大20万香港ドル(約280万円)、ガイド1人に月5,000香港ドル(約7万円)

香港メディアThe Standardは、飲食店では、30%を従業員の賃金に使用すること、従業員を3ヶ月間で1人も解雇しないことを誓約する必要があるとも伝えています。

※香港政府の正式発表
香港政府は、飲食店は受け取った助成金額のうち80%を従業員給与に充てること、また受け取ってから3か月以内は解雇をしてはならないとの条件を発表しました。(4月14日に修正)

≪ 地下鉄MTRが7月1日から半年間20%割引 ≫ 7月1日から半年間、MTRの乗車運賃が20%割引となります。オクトパスカード(日本のSuicaにあたる)を利用すれば自動的に20%割引が適用されます。また、マンスリーパスは100香港ドル(約1,400円)割引となります。

≪ 行政長官と主要当局者の給料を1年間10%削減 ≫ キャリー・ラム行政長官と主要当局者の給料を、1年間にわたり10%削減することが発表されました。総額771万香港ドル(約1億800万円)の経費削減となるようです。

なお、本日時点での香港内の新型コロナウイルスの感染者数は、昨日から25人増え計960人、うち退院者数は264人となっています。