香港航空の7機が差し押さえられる
香港の空港管理局は17日、香港航空(Hong Kong Airlines)が一部の支払いを遅延しているため、航空機7機を差し押さえたと発表しました。香港航空は、「差し押さえられた7機は旅客用として使用されておらず、平常通りの運航を続ける」と話していますが、財務状況への懸念が各紙で伝えられています。
香港航空は2週間ほど前に財政難を理由に、香港政府から運航ライセンスの停止または取消の警告を受けていましたが、資金調達により運航継続の許可を得たばかりでした。運航ライセンスを扱う空運牌照局(ATLA)も「当面は許可の取り消しなどの措置はおこなわないことにした」と述べていたところでした。
香港航空にどのような未払いがあるのかは明らかではありませんが、60日以内に支払いが確認できなかった場合、空港管理局が差し押さえた7機を売却することが法令で認められているようです。
DBSグループ・ホールディングスのアナリストPaul Yong氏は「一般的に旅客機差し押さえは航空会社にとって運航停止の前触れになる。座席利用率を見ると、損失が続いていることが分かる」と指摘。航空コンサルタント会社Endau Analyticsの創業者Shukor Yusof氏は「状況悪化により航空会社が破綻した場合、航空券の代金が全額戻ってくる可能性は低い」とコメントしています。
なお、ブルームバーグ紙は香港航空を以下のように紹介しています。 「スカイトラックス・ワールド・エアライン・アワード2019で100社中24位に選ばれた香港航空は、北アメリカやオーストラリアにまで長距離を運航する。キャセイパシフィック航空より運賃が安い。香港航空が抱える問題を見ていると、2008年に営業開始からわずか2年で営業停止に陥ったオアシス香港航空を思い出す。オアシス香港航空は長距離を格安で運航していた」。