亀を密輸、香港で日本人男性に禁固刑1年
更新日:2019年05月08日
2018年10月に日本の天然記念物の亀「リュウキュウヤマガメ」60匹を手荷物に入れて日本から香港に運んだ日本人男性ヒラグチ・ナオキ被告(43歳)に昨日、香港の裁判所が絶滅危惧種保護条例違反の罪で禁錮1年の実刑判決を言い渡しました。
ヒラグチ・ナオキ被告は2018年10月26日、香港国際空港で手荷物の中にリュウキュウヤマガメ60匹を隠し持っていたところを発見され、現地で逮捕、起訴されていました。裁判で弁護側は「沖縄の友人に頼まれて、飼育目的で香港に持ち込んだだけ」と主張しましたが、裁判官のエミリー・チュン氏は「60匹の亀を機内の手荷物スペースに長時間閉じ込めて死の危険にさらした。1匹も死ななかったのは運が良かっただけ」と述べ、「商業目的で悪質」と判断しました。
リュウキュウヤマガメは沖縄県の本島北部、久米島、渡嘉敷島にだけ生息する希少な絶滅危惧種で、1975年に日本の天然記念物に指定され、2013年からはワシントン条約で取引が規制されています。香港の裁判所では、60匹で合計51万香港ドル(約714万円)~240万香港ドル(約3360万円)相当の価値があると判断しました。
押収された亀は香港で保護され、保護期間中に1匹が自然死してしまったようですが、残り59匹は今年3月に無事日本に返還されました。
※画像は嘉道理農場より