759阿信屋の社長60歳で急逝
更新日:2018年08月20日
香港で主に日本のお菓子や食品を仕入れて販売する「759阿信屋」の創設者である林偉駿社長が18日(土)、60歳(一部メディアでは61歳)の若さで病気によりこの世を去りました。日本のNHKドラマ「おしん」の大ファンであり、中国語名「阿信」をもとに名付けたという店舗の歴史とともに、林氏の活躍が多くの香港メディアで語られています。
林氏の事業は1979年に従業員10人程度の小さなコイル製造会社の設立から始め、1999年には10,000人規模の上場企業となるまでに電子製品事業を拡大。2010年に小売業界に新規参入し「759阿信屋」1号店を葵涌(クワイチョン)にオープン、日本や韓国の菓子類や加工食品、飲料などを中心に販売する小売りチェーンとしてピーク時の2015~2016年には271店舗となるまでに成長させました。
林氏は以前、香港メディアSCMPに対し759阿信屋の成功について「香港人は日本や韓国のライフスタイルや食べ物が好きだけど、当時は低価格で販売する店舗が存在しなかった。他店のコピーではなく新しい事を始めるのが成功の秘訣だ。」と語っていました。759阿信屋では香港の食品代理店を通さず、日本や韓国の問屋やメーカーから直接仕入れることで低価格を実現してきました。
もっとも、円高の影響や賃料の高騰により759阿信屋は今年4月には206店舗に減少していましたが、林氏は今年から新たに米と石油の事業に参入するとの意気込みも見せていたようです。60歳の若さで逝去となり残念なニュースではありますが、今後も成功は語り継がれるでしょう。