馬鞍山で野生のトラが出たと大騒ぎ

更新日:2018年03月07日
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トラ騒ぎ

昨日、香港馬鞍山(マーオンサン)にハイキングで訪れていた夫婦(32歳男性、39歳女性)から「体長3フィート(約91cm)、高さ2フィート(約61cm)ほどの野生のトラが出た!」と通報があり、15人以上の警察官や救助隊員により数時間の大規模捜索がおこなわれました。

香港では1915年3月9日、新界の上水(ションソイ)で村民1名、警察官2名が全長2.2メートルのサウス・チャイナ・タイガーに襲われ死亡する事故がありましたが、現在は野生のトラは絶滅したと考えられています。1942年には赤柱(スタンレー)でトラが出没し警察官により射殺されましたが、サーカスのトラだったと言われています。

大規模捜索の後、香港警察は目撃者夫婦に対して香港で生息する「ベンガルヤマネコ(レオパードキャット)」の画像をみせて事実確認をしたところ、目撃者夫婦から「似ている」と回答があったため、今回のトラ騒動はベンガルヤマネコなのではないかと処理がおこなわれたようです。

香港大学の生物学博士Billy Hau Chi-hangは「サウス・チャイナ・タイガーは絶滅したと考えられており、中国南部では20年以上、野生のトラの目撃情報はない。ベンガルヤマネコは香港の森でよく見かけられるが、人間に攻撃するような動物ではなく、大きさは一般的な猫よりも少し大きいくらいだ。人間を見るとすぐ逃げてしまうため生物学研究者でも写真を撮るのが難しい。」とコメントをしています。

なお、1915年に香港市民を襲ったサウス・チャイナ・タイガー(上水タイガー)に関する事故詳細は、湾仔(ワンチャイ)の警隊博物館で見ることができます。1942年に出没したトラに関しては赤柱の天后廟に毛皮が飾られています。