同性カップルの家族ビザ承認 イミグレの却下覆す
更新日:2017年09月27日
同性婚の認められていない香港で、イギリスでは法的にパートナーシップとして認められている女性カップルの家族ビザ(Dependant Visa)が香港イミグレーションにより認められました。このカップルの家族ビザは、2011年香港イミグレーションに一度却下されていましたが、香港の裁判所への訴えを世界的な大手金融機関12社がサポートするという異例の対応がおこなわれたため、判決に対して世界中から関心が集まっていました。
同性カップルのSSさんとQTさんは、イギリスではシビルパートナーシップと呼ばれる制度により、異性間の婚姻とほぼ同等の権利を与えられていました。SSさんは2011年に仕事で香港に滞在することが決まり就労ビザを申請、QTさんは配偶者として家族ビザを申請しましたが、香港イミグレーションの審査によりQTさんの家族ビザは却下、QTさんは提訴しますが2016年に敗訴。今回はその控訴審となっていました。
2017年9月25日の裁判で、裁判官は「海外で正式にパートナーシップが認められているカップルの家族ビザ申請を認めない、という香港イミグレーションの対応は道理に反している。香港への優秀な海外人材の招き入れを妨げる。」とし、香港イミグレーションに家族ビザ申請を承認するように求めました。
裁判をサポートしたゴールドマン・サックスや モルガン・スタンレーをはじめとする大手金融機関12社に加え、アメリカ商工会議所やイギリス商工会議所などから、今回の裁判所の決定に関して賛辞が寄せられているとのことです。また、今年、台湾ではアジアで初めてとなる同性婚が容認されたというニュースもあり、香港でも同性カップルの権利保護に関心が高まっているようです。