データ改ざんにより香港・マカオを結ぶ「港珠澳大橋」の完成が延期か?
更新日:2017年06月23日
2017年に完成予定の香港・珠海・マカオを結ぶ「港珠澳大橋」ですが、現在までにコンクリート圧縮試験のデータ改ざんの疑いが346件も発覚しており、工事に遅れが出て2017年完成は難しいのではないかと香港内で指摘されています。
データ改ざんは2017年5月、政府指定の工事請負業者Jacobs Chinaが担当するコンクリート圧縮試験において発覚し、従業員21名が汚職取締署に逮捕されたことからはじまり、その後は別の調査会社が橋の該当場所を調査したことで次々に改ざんの疑いが発覚。一昨日までに346件の改ざん疑惑が見つかっています。
状況により橋の作り直しにもなると騒がれていましたが、香港政府土木工程拓展署は「問題となっている346件のコンクリート強度は必要な基準を満たしている」。と安全上に問題がないことを説明し、またコンクリート圧縮試験はこれまでに30万3,700件行われており、改ざん疑惑の比率は わずか0.11%だとも伝えました。
本件に関して香港メディア東網(東方日報)は「いずれにせよ工事の速度に影響があるのは確実」とコメントし、年内の工事完了を疑問視しています。また、これまで港珠澳大橋に関する問題は工事延期に限らず、予算超過、死亡事故、賄賂など多岐にわたることも指摘しています。
なお、今回の問題が明るみに出たことがきっかけとなり、セントラル・湾仔バイパスのトンネルやその他の道路工事プロジェクト、香港児童病院、政府職員宿舎などでも、同様の問題が発覚したようです。