MPF充当廃止 雇用者の退職金負担が増加
更新日:2017年01月20日
1月18日に、2017年度の香港政府の方針をまとめた施政報告が発表されました。その中でも、7月に実施されるMPF(積立年金)制度の変更点は、経営者・従業員の両方に影響を与えるかもしれません。
MPFとは、老後生活費の確保を目的とした日本の年金に相当する制度で、毎月一定額を会社と従業員が半分づつ負担をします。これまでは2年以上働いた従業員が退職する時に、MPFを取り崩して退職金として充当することが可能でしたが、2017年7月に実施されるMPF制度の変更により充当が不可能となりました。今後は過去に積み立ててきたすべてのMPFは従業員のものであり、退職金は雇用者が別途支払わなければならなくなります。
従業員にとっては、退職金をMPFから充当されないことは嬉しいことですが、、企業にとっては今後、退職金を引当てる必要があり、企業のコスト負担が高まること必至です。早くも香港の従業員の間では「制度が変更される前に、リストラされるのではないか」、「1年ごとの契約社員に雇用契約が変更されるのではないか」との心配の声も上がっています。
一般的には「年金」と「退職金」は別のものとして考えられますので、MPF充当廃止は妥当な判断といえるのではないでしょうか。
MPFなどの人事・総務業務でのお困りごとがありましたら、当社までご相談ください。