Deliveroo(デリバルー)が4月7日に香港から撤退

Deliveroo(デリバルー)は、9年間続けてきた香港でのフードデリバリー事業を4月7日に終了します。一部の資産は、競合のFoodpanda(フードパンダ)の親会社に売却し、香港から撤退することになりました。
現在、香港のフードデリバリー市場にはDeliveroo、Foodpanda、Keetaの3社があります。特に、中国本土のショッピングプラットフォーム「美团」が2023年に立ち上げたKeeta(キータ)が急成長し、2024年5月時点で市場シェアは43%で1位。続いてFoodpandaが35%で2位、Deliverooは21%で3位となっています。
Deliverooの一部資産を取得したFoodpandaの親会社であるドイツのデリバリーヒーローは、「Deliverooの顧客と配達員はFoodpandaのプラットフォームに移行する。また、これまでDeliverooとしか提携していなかったレストランや食料品店も、今後はFoodpandaで利用できるようになる」と発表しました。
Deliverooは、「香港市場には特有の要因があり、取締役会は戦略的な選択肢を検討した結果、香港での事業継続は株主の最大の利益にならないと判断した」と発表しました。
香港中文大学の経済学者であるサイモン・リー教授は、「Deliverooの香港撤退は驚くことではない。香港では、自分で食事を買いに行く人や、レストランが独自に配達サービスを提供するなど、フードデリバリー以外の選択肢が多い。そのため市場規模は限られ、競争も激しい。さらに、Keetaは顧客獲得のために多額のプロモーション費用をかけている。Deliverooはコストが利益を上回ると判断し、撤退を決めた可能性が高い」とコメントしています。