ロート製薬が漢方薬の余仁生(ユーヤンサン)を買収
日本のロート製薬は三井物産と共同で、東南アジアの漢方薬最大手である「余仁生(ユーヤンサン)」を6月末に買収すると発表しました。余仁生はシンガポールに本社を構える会社ですが香港とマレーシアに工場があり、シンガポール、マレーシア、香港、マカオで漢方薬店170店舗を運営しています。
ユーヤンサン(余仁生)の創業者である余廣培は広東省仏山市出身で、1870年代にマレーシアのペラ州の小さな鉱山町に移り住み、鉱山労働者の医療がアヘンに依存していることに気づき、1879年に漢方薬店を開きました。余廣培は1890年に37歳で突然亡くなったため、彼の一人息子の余東旋が13歳の時に後継ぎとなり、21歳から本格的に経営を引き継いで医薬品事業や送金事業の拡大に大成功し、巨額の富を築きました。その後も家族経営が続いていましたが1990年代には家族のトラブルで余仁生国際集団(ユーヤンサン・インターナショナル)と余仁生(香港)有限公司(ユーヤンサン・ホンコン)に分かれ、1997年に再び余仁生国際集団にまとまったという歴史もあります。
香港の余仁生(ユーヤンサン)の店舗を訪れると、様々な漢方薬やサプリメントが販売されています。特に有名な商品は、美容に良い成分が豊富に含まれるツバメの巣。自宅で手軽に作れる薬膳スープの素材も種類が豊富で人気があります。香港各地に多くの店舗がありますので興味のある方はぜひ立ち寄ってみてください。
ロート製薬と三井物産は、余仁生国際集団の株式の86%を約6億8700万シンガポールドル(約756億円)で買い取ります。漢方薬から食品まで幅広く手掛ける余仁生を取り込み、一般医薬品・食品分野を強化するとのことです。
余仁生(香港)有限公司(ユーヤンサン・ホンコン)
https://shop.euyansang.com.hk/