シンガポールに4,200社の地域統括会社、香港は1,336社
シンガポールは2023年に4,200社の多国籍企業の地域統括会社を置き香港の1,336社を圧倒しているとブルームバーグ・インテリジェンスが報告書で発表したこと、香港のトップタレントパス取得者の月収の中央値は約5万香港ドル(約96万円)で香港ローカルの平均よりも圧倒的に高いこと、香港の財政司司長はブログで2024年香港経済は徐々に回復すると述べたことをお伝えします。
シンガポールに4,200社の地域統括会社、香港は1,336社
ブルームバーグ・インテリジェンスは、「シンガポールは2023年に4,200社の多国籍企業の地域統括会社を置き、香港の1,336社を圧倒している」と報告書で発表しました。
報告書では「欧米とのより良い関係、幅広い人材プール、多様化した経済、税制上の優遇措置などを理由に、より多くのグローバル企業や中国企業さえもがシンガポールを選んでおり、グローバル企業がアジア地域統括会社として優先する選択肢としての競争に香港は敗れた。香港で地政学的リスクが高まる中、企業は政治的安定と自由の観点からシンガポールを選ぶ可能性がある。香港の標準法人税率は16.5%と低いが、シンガポールでは一部の活動については17%の税率を13.5%以下に引き下げることができる。また、シンガポールは地域ハブの設立を検討している外国企業を対象にインセンティブを設けている。シンガポールに地域統括会社を置く企業には、フェデックス、マイクロソフト、アルファベット傘下のグーグル、ミード・ジョンソン、ロールスロイス、ゼネラル・モーターズといった有名企業がある」と述べています。
■香港のトップタレントパス取得者の月収は5万香港ドル
香港の労働局は11月、世界のトップ100大学を卒業した方や年収250万香港ドル相当以上の方が取得できる「トップタレントパス」の取得者を対象に給与額のアンケートを実施し、月収の中央値は約5万香港ドル(約96万円)で、香港ローカルの平均である2万香港ドル(約39万円)よりも圧倒的に高いと伝えました。また、回答者の4人に1人は月収10万香港ドル(約192万円)を超えており、10人に1人は月収20万香港ドル(約385万円)を超えています。
このアンケートは、香港に半年以上滞在しているトップタレントパス取得者とその家族の合計5,000人を対象におこなわれました。回答者のうち54%が雇用されており、そのほとんどが高度スキル職や管理職となっています。約30%が金融業界、18%がイノベーションおよび情報技術業界、17%が商業および貿易業界で働いているようです。
また、トップタレントパス取得者の配偶者の16%も高度スキル職に就いており、月収の中央値は約3万香港ドル(約58万円)、10人に1人は月給10万香港ドル以上となっています。
■香港の財政司司長「2024年香港経済は徐々に回復」
香港政府の財政司司長の陳茂波(ポール・チャン)は、自身のブログにて「2024年、香港経済は徐々に回復しビジネス環境は改善する。複雑な地政学的状況と高金利により、新型コロナウイルス感染症流行が終わった後の2023年も経済成長は鈍化したが、中国の支援と世界とのつながりが依然として香港の経済構築における最大の強みである。2月28日に発表予定の財政予算案の表紙がベージュ色なのは景気が上向くとの期待を反映している」と述べました。