香港大学がステージ4の肝臓がんの治療に成功

更新日:2023年12月18日
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末期ガン

香港大学の研究チームが世界初となる方法でステージ4の肝臓がん患者(余命6ヶ月を宣告された末期がん患者)の治療に成功しました。ステージ4のがんは基本的に切除手術ができないと言われることが多いようですが、香港大学は定位放射線治療と免疫療法を組み合わせた新しい「縮小切除」というアプローチで、腫瘍を切除可能なサイズまでにがんを縮小させ切除しました。

2022年11月、肝臓がん患者のウォンさん(65歳)は、左肝臓に18.2cmの腫瘍が発見されました。がんは門脈(肝臓に血液を送る血管)に広がっておりステージ4、余命は約6ヶ月と宣告されました。その後、ウォンさんはがん治療のため香港大学で、血管内の腫瘍血栓を6ヶ月間かけて治療し腫瘍を手術可能なサイズまでにがんを縮小させたのち、2023年8月に息子の肝臓の一部を移植し回復しています。

香港大学の肝臓移植の臨床教授である陳智仁(Albert Chan)氏は「ステージ4の肝腫瘍を手術可能なサイズまで縮小させる効果的な方法は、今のところ世界中で他にない。また、この新しい治療法は高齢者を肝臓がんから救うのにも役立つだろう。」と話しています。

香港大学では、これまで約100人の患者がこの新しいアプローチで治療を受けており、そのうち40%が治療後に腫瘍細胞の完全な壊死を確認し、10%以上が肝移植などの手術を受けるのに適した状態になりました。