9月29日は中秋節、香港での風習や行事を解説

更新日:2023年09月15日
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中秋の名月

2023年9月29日(金)は中秋節(中秋の名月)であり、会社は夕方前に終わり、家族や親戚が集まり食事をおこない、月や灯籠(ランタン)を見て伝統行事を楽しむという風習があります。中秋節が訪れる前にはお世話になった方に月餅(げっぺい)やフルーツを贈るという風習もあります。また中秋節の翌日9月30日(土)は香港の祝日となっています。

中秋節とは、旧暦8月15日におこなわれる秋の豊作を祝う祭事のことで、起源は3,000年以上前の中国の殷の時代(紀元前17世紀頃~紀元前1046年)にまでさかのぼると言われています。中国で公式の祭事となったのは唐の時代(西暦618~907年)で、中国の古代皇帝が収穫を祝って神と月に供物を捧げる宴を主催したのがきっかけだという説があります。時が経つにつれて、中秋節は月に感謝し、幸運や多産を祈り、家族と再会し、多くの伝統を伴う祭りへと発展してきました。

中秋節は家族団らんの象徴である「丸い満月」が見られるため「団圓節」や「団欒節」とも呼ばれており、中国の食卓はテーブルが丸く家族での食事を「圓月」と呼ぶことから、中秋節には家族や親戚が集まり食事をする風習ができました。丸い形状が家族団らんの象徴とされるスイーツ「湯圓(トンユン)」を食べることもあります。

月餅は、団結と調和の象徴とされており、香港の店舗やレストランでは毎年様々な種類の月餅が販売されています。最近では選べるフレーバーの種類が増えていますが、最も伝統的なのはハスの実のペーストと塩味の卵黄を使って作られた月餅になります。香港内ではお茶やワインと一緒に出されることが一般的です。

また、月見には重要な日が3つあります。月を迎える中秋節の前夜、月を愛でる中秋節当日、そして月を見送る翌日です。現代にも残っている人気の伝統であり、毎年、家族、友人、カップルが月見スポットに集まります。

2023年の中秋節の主要な行事は以下の通りです。大坑舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)は2019年以来4年ぶりの開催となります。

●灯籠祭り(ランタンフェスティバル)
尖沙咀(チムサーチョイ)の香港文化センターの広場で9月15日(金)から10月8日(日)まで。銅鑼湾(コーズウェイベイ)のビクトリア公園と、沙田公園(シャーティンパーク)、屯門公園(チュンムンパーク)では9月23日(土)から10月2日(月)の毎晩18時30分から23時まで(9月29日は24時まで)、ランタンが飾られ点灯します。

●大坑舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)
143年の歴史ある伝統的なお祭りで無形文化遺産のリストに登録されている「大坑舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)」は9月28日(木)から30日(土)の3夜連続で毎晩夜8時15分から大坑(タイハン)地区で開催されます。300人以上のパフォーマーにより12,000本の線香で飾られた全長67メートルの巨大な龍のパレードがおこなわれます。