香港政府、日本からの水産物を禁止とする可能性
昨日、香港政府の行政会議で日本の福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐる議論がおこなわれました。行政会議議長の葉劉淑儀(レジーナ・イップ)氏は在香港日本国総領事館の岡田健一総領事に処理水放出への反対を伝え、李家超(ジョン・リー)行政長官は日本の多くの都道府県からの水産物を禁止する可能性を話しました。
日本は「国際原子力機関(IAEA)は海洋放出が国際的な安全基準に合致すると評価している」としていますが、レジーナ・イップ議長は記者団に対し「岡田健一氏と昨日会い、日本は国際社会の合意を得ることなく処理水を放出すべきではないと改めて伝えた。国際原子力機関(IAEA)の報告書は関係専門家全員の意見を反映していない。日本はこの報告書を強制放出する許可として扱うべきではない。また、国際社会から支持されている香港政府の立場を日本は尊重すべきであり、香港市民の健康を守る上で正しい行動だ」と話しました。
香港政府のトップである李家超(ジョン・リー)行政長官は昨日の行政会議前に「日本が処理水放出をおこなえば、香港政府は日本の多くの都道府県からの水産物の輸入を禁止することになるだろう。日本が計画している行動は前例がなく、未知のリスクにつながる可能性がある。100%安全だと保証できる専門家は誰もいない。人体への影響は数年後あるいは次世代になって初めて現れる。香港の飲食業界は、食品の安全性に対する市民の信頼が非常に重要であり、市民が安心できる方法で対応しなければ飲食業界全体に影響を与えることを理解してくれると信じている」と話しました。香港は日本にとって第二位の農水産物輸出市場です(中国本土が一位)。日本政府の統計によると、2022年に日本は755億円の水産物を香港に輸出しています。
また昨日、立法会メンバー(46人)と在香港総領事(44人)および名誉領事(14人)とのカクテル・レセプション(立食パーティー)がLegCo Complex(立法会本部施設)で開催され、互いの関心事について意見交換をおこないました。全ての在香港総領事が招待されましたが、日本の岡田健一総領事は参加しなかったと香港メディアThe Standardが報じています。香港工會聯合會(労働組合連合会)の代表者は「日本が出席せず、処理水放出の安全について議員たちに説明しなかったのは残念だった」とコメントしました。