香港のオフィスビルに記録的な空き

更新日:2023年06月06日
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オフィス

本日は、香港のオフィスビルに記録的な空きが出ておりグレードAオフィスビルの空室率は約15%となりオフィス取引件数や賃料にも影響が出ていること、6月25日に地下鉄MTRの運賃が2.3%値上げとなることをお伝えします。

■香港のオフィスビルに記録的な空き
香港のオフィスビルに記録的な空きが出ており、合計1300万スクエアフィート(120万7740平米)のスペースがあるとブルームバーグが報じています。不動産サービス大手のColliers International Group Inc.(コリアーズ)のデータは、4月の香港のグレードAオフィスビル(下記の※を参照)の空室率は約15%、ニューヨークマンハッタンの12.5%やシンガポールの4.6%を上回っています。

また、香港のグレードAオフィスビル空室率は2019年から3倍以上となっており、香港の大富豪である李嘉誠の長江実業グループ本社がある超高層ビル「長江センター」では約25パーセントが空室となっているようです。

ブルームバーグは香港のオフィス空室について「ニューヨークやロンドンでは、新型コロナの流行が終わった後でも在宅勤務を続ける人が多いため、オフィスの空き増加につながっているが、香港は家が狭いため在宅勤務を続ける傾向は少ない。ニューヨークでは地下鉄利用者数がコロナ前の65%だが、香港は2023年3月に2019年(コロナ前)の水準を上回っている。また、香港では金融業界がオフィススペースのほぼ30%を占めているが、金融大手や銀行の人員削減やオフィス移転が目立っている」と分析しています。

香港内のオフィスの取引件数や賃料にも影響が出ています。金融リサーチMSCI社のデータによると、2023年第1四半期のオフィス取引件数は過去5年間の平均に比べてほぼ半減。プレミアムオフィスの価格は2023年3月に2018年のピーク時から26%下落しており、賃料は4年前から29%下落しています。

※ 香港政府によるグレードAオフィスの定義
モダンで高品質な仕上げのオフィスで、柔軟なレイアウト、大きな床面積、広々とした、よく装飾されたロビーと通路、効果的なセントラル空調、乗客用と荷物用にゾーン分けされた優れたエレベーター、プロフェッショナルな管理、駐車設備が備わっていること。

■6月25日にMTRの運賃が2.3%値上げ
香港で地下鉄を運営するMTR社は、6月25日(日)よりMTRの運賃を2.3%値上げします。46%の路線で0.1香港ドルの値上げ、25%の路線で0.2香港ドルの値上げ、18%の路線で0.3〜0.4香港ドルの値上げ、7%の路線で0.5香港ドルの値上げ、4%の路線では値上げ無しとなります。(0.1香港ドル=約1.79円)

なお、MTRは8月19日(土)に運賃が50%割引となるキャンペーン「サンキューデー」を実施します。