李家超が香港行政長官に選出
5月8日(日)に香港政府トップを決める行政長官選挙の投票がおこなわれ李家超(ジョン・リー)氏が正式に選出されました。香港警察出身の李氏は中国政府が認めた唯一の立候補者であり、選挙は李氏を支持するかどうかを問う信任投票の形式となり支持1416票、反対8票で当選しました。
李氏は当選後の記者会見で「国家の主権ならびに安全、発展利益を保護するとともに、内外の脅威から香港を守り、安定を確保することが引き続き最も重要だ」と話しました。また、国家への反逆や反乱の扇動などを禁じる「国家安全条例」の制定に関する香港基本法23条について適時推進するとも話しています。その他、駱恵寧(中国連絡事務所のトップ)との会談では「一国二制度の原則を断固として実施する」と主張しました。
在香港米国商工会議所のTara Joseph元会長は李氏について「ビジネス経歴が無い行政長官。李氏が選出されたのは、北京が香港の保安を優先していることの表れだ」と話し、李氏が香港の経済・ビジネスよりも保安を優先する可能性があるとの見解を示しました。一方、香港総商会のPeter Wong会長は声明で「李氏がこの困難な時期に香港を安全で繁栄した未来へと導く能力があると信じている」と述べ、香港工業総会のSunny Chai会長は「香港が国際金融センターおよび主要な旅行ハブとして成長し繁栄し続けるために、李氏が適切な時期に本土および海外との往来緩和をさらに検討することを願う」と話しました。
G7では5月9日(月)に「香港行政長官選出に関するG7外相声明」を発出し、現在の行政長官の選出プロセスは普通選挙という目標から逸脱していると深い懸念を述べました。また、欧州連合は選挙後の声明で「民主主義の原則と政治的多元主義への違反に遺憾を表明する。この選挙プロセスは一国二制度の原則の解体をさらに進めるものとみなす」と述べました。欧州連合の表明に対し、李氏は「選挙に勝つために一生懸命働いた」と反論。中国外交部も「香港の選挙で誰がどのように選出されるかは完全に中国の内政である」と主張しました。
< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規陽性者数は、金曜324人(入境時・隔離中の発見29人、香港市中感染295人)、土曜278人、(入境時・隔離中の発見18人、香港市中感染260人)、日曜266人(入境時・隔離中の発見25人、香港市中感染241人)、月曜233人(入境時・隔離中の発見33人、香港市中感染200人)、感染者合計は331,306人(陽性者合計1,206,818人)、死者合計は9,347人、入院者数は959人となっています。
ワクチン接種者合計は1回目接種が6,655,642人(91.4%)(シノバック2,909,971人、ビオンテック3,745,671人)、うち2回目接種が6,214,442人(85.4%)(シノバック2,651,495人、ビオンテック3,562,947人)、3回目接種が3,334,805人(49.2%)(シノバック1,077,191人、ビオンテック2,257,614人)、4回目接種が75,888人(シノバック33,944人、ビオンテック41,944人)となっています。