キャセイの男性カップルの広告が空港や地下鉄で却下
キャセイパシフィック航空が作成した男性カップルがビーチで手をつなぐ広告デザインが、香港の空港や地下鉄MTR等の公共機関では取扱いができないとして物議を醸しています。キャセイのCEO Rupert Hogg氏は「多少の異質的要素はとても重要だ。キャセイの社員は、その人らしく、そして気持ちよく、チームの一員として生産性をもたらしてくれる人材であってほしい。それが私たちの目指すところである。」と話しました。
キャセイパシフィック航空のキャンペーン広告シリーズは、香港の繁華街などで目にすることができますが、LGBTを思わせる広告においては制限こそないものの却下されており、LGBT権利の理解には保守的な傾向となっています。キャセイ航空のスポークスマンは広告が却下された事にコメントを出していませんが「私たちは多様性とそれに関わるものを受け入れている。私たちは多様性のある会社であり、また私たちの顧客もそうである。この会社のブランド見直しキャンペーンの主要なメッセージの一つは”Fly with pride for our LGBT community allies”(LGBT コミュニティの友よ、誇りを持って飛べ)というものである」と主張しました。
香港の主な広告掲載を取り仕切る会社French company JCDecauxは今回の件を含めて「クライアントは香港の法律および広告業界の業務規範に準ずるよう契約条件とガイドラインには従うべきである」と説明し、JCDecauxのスポークスマンは「今回の同性カップルの写真広告は、替えのきく広告シリーズであったため、代替広告を使用した」と発表。
またMTRの条項には「不快感、恐れ、ストレスを感じるものや羞恥、嫌悪を感じさせるものは拒絶。社会的に論議を醸すものは遅かれ早かれ禁止される」と述べられていることから広告の取扱いができなかったものと考えられています。
香港空港の関係者においては広告素材が提出された際にLGBT画像はなかったと話しており、今後の広告の取扱いにはついてはコメントを控えたままになっています。
5月22日追記:LGBTコミュニティやサポーターからの強い反発を受け、空港およびMTRは5月21日、キャセイパシフィック航空の広告デザインを取扱うことを発表しました。香港メディア「The Standard」が空港に取材をおこなったところ、「キャセイパシフィック航空の広告は空港ターミナルの広告ガイドラインに反していないと広告エージェントに伝えた」と回答。MTRは、「キャセイパシフィック航空の広告を取り扱うことで機会均等や多様性を考慮してほしい」と広告エージェントに依頼し、広告エージェントもすでに了承しキャセイパシフィック航空と話を進めているようです。