お釣りは返さなくても良い？香港タクシーのルール

香港国際空港から香港島の赤柱（スタンレー）までタクシー乗車をした34歳香港人女性が、運賃438.50香港ドル（約6,140円）に対して500香港ドル紙幣（約7,000円）で支払いをしたところお釣りがないとの理由で返金を拒否されました。乗客は「ガソリンスタンドで両替すればよい」と提案しましたが「空港まで送り返す」と脅され警察へ通報をおこないました。

香港政府運輸署のガイドラインには「タクシーは少なくとも100香港ドル分の紙幣とコインをお釣りとして準備する必要がある。500香港ドル、1000香港ドル紙幣での支払いに、返金できなくても違法ではないが、できる限り乗客の要求に応えなくてはならない。」と定められています。今回のケースでは、100香港ドル以下の返金であったため、タクシー運転手は警察から注意を受け、61.50香港ドルが返金されて和解となりましたが、タクシー側が100香港ドルを超える返金ができなくても違法ではないようなので注意が必要です。

タクシー運転手とのトラブル防止のためにも、香港政府運輸署のガイドラインに書かれている「タクシー運転手がしてはいけないこと」と「乗客がすべきではないこと」、そしてトラブル発生時の連絡先を今回の記事で案内いたします。一度チェックしてみてはいかがでしょうか？

●タクシー運転手がしてはいけないこと
・乗客を選んだり乗車拒否をしてはならない
・運賃を過剰請求してはならない
・客引きをしてはならない
・乗客の行き先を拒否してはならない
・乗客の同意なく他人を同席させてはならない
・最新の料金表を掲示しなければならない
・少なくとも100香港ドル分の紙幣とコインをお釣りとして準備しなければならない
・運賃はメーターで計算し正確なお釣りを返却しなければならない

・乗客にレシートを要求された場合は渡さなければならない

●乗客がすべきではないこと
・停車前の乗り降り、停車禁止区域で乗り降り
・乗車可能人数を超えた乗車
・500香港ドルまたは1000香港ドル紙幣の支払い
・運転手への停車禁止区域での停止や待機の要求
・運転手の営業外エリアを行き先として指定
・暴言や乱暴（適切な礼儀を保ちましょう）
・タクシーの破損や汚損
・タクシー内での喫煙や飲食
・タクシー内でのゴミ放置
・車外に物を投げたり荷物をぶら下げる行為
・体の一部を車外に出す行為

・シートベルトの共有など不適切なシートベルト使用

●クレームやトラブル時の連絡先 タクシーへのクレームは以下ウェブサイトで受付がおこなわれています。
ウェブサイト：https://www.tcu.gov.hk/taxi/index.htm
ホットライン：(852) 2889-9999

緊急で助けが必要な場合は警察（999）に電話するように案内されています。

●香港政府運輸署のガイドライン

https://www.td.gov.hk/filemanager/en/publication/3tce.pdf

今回のトラブルはタクシー運転手の悪質な意図的行為だと考えられていますが、香港政府運輸署は「500香港ドルや1000香港ドルで支払う場合、乗客は乗車前にその旨を伝えるべきだ」と注意を促しています。